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潮風の香る教室


海辺の小さな学校から街の中の大きな学校へ異動しました。
by t-fuji5289
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平成28年度の研究紀要がまとまる

平成27年度・平成28年度と、研修主任を拝命しました。
3年計画の2年次と3年次を進めていく声かけ役として、4名の研修部員や勤務校の先生方とともに取り組んだ校内研修が1つの区切りを迎えました。
とても感慨深いです。

校内の仲間はもちろん、校外にも一緒に進む仲間がいました。
八雲の中原茜さんや、七飯の吉田雄太さんから声をかけてもらって始めた「研修主任連絡協議会」は、じわりじわりと仲間の輪が広がり、函館の他にも、七飯町、洞爺湖町、千歳市、帯広市、旭川市で、それぞれ違った仲間が集い、学び合うという得がたい経験をすることができました。校内の仲間と校外の仲間。それぞれの学びがつながったことでとても充実した時間になりました。

今年度の研究紀要は160ページほど。
昨年度よりは若干薄くなりましたが、それでもなかなかのボリュームです。
過去10年間分の研究紀要も読み返し、「なぜ、いまここ」なのかを明らかにした上で、今年の研究をまとめています。印刷は研修部で。丁合いと製本は全職員で行い、裁断のみ、業者に出しています。98%手作りです。届いたときはじ~んときました。
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研究を進めていくときにお世話になった梶浦真さん(教育報道出版社)にお送りしたところ、梶浦さんのblogで、とてもありがたいフィードバックをいただきました。この2年間を見ていただきましたので、悩んだところやちからを入れたところなど、いただいたお言葉の一つ一つがとても有り難かったです。

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# by t-fuji5289 | 2017-02-15 19:35 | 研究の軌跡 | Trackback | Comments(0)

HP「潮風の香る教室」

日々のいろんなことを綴っています。
最近は「ファシリテーション・グラフィック」に力を入れて取り組んでいます。


平成23年7月7日、僕の講座を記録した
「明日の教室DVD第16弾 ファシリテーショングラフィック入門」
が発売になりました!!
f0137124_2114884.jpg

定価は3,000円です。上記リンクから購入申し込みができます。
また、下記のアドレスからメールをいただければ、私から直接購入することもできます。
(送料無料)


平成23年11月29日、明治図書から
『教師が変わる! 授業が変わる! 「ファシリテーション・グラフィック」入門』が刊行されました!!
明治図書のHPはこちら
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定価1,848円(税込み)。DVDと合わせてご覧いただければ、と思います。
僕の初めての単著です。どうぞ宜しくお願いします。
平成23年11月29日刊行!!
明治図書のHPにインタビュー記事が載りました。こちら
平成23年1月重版決定!!


平成24年3月23日、NHKのニュースネットワーク北海道にて
「ファシリテーショングラフィック」が取り上げられました。
7分ほどのニュースで、僕の関わったまちづくりイベント、自宅でのファシグラ、授業場面でのファシグラをたっぷりと伝えていただきました。
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本BLOGには、これまでのファシグラの実践をまとめています。
カテゴリの「ファシグラ理論」「ファシグラ実践」をご覧下さい。

・ファシグラ理論
・ファシグラ実践

ホームページはこちら。「潮風の香る教室」

「教師力BRUSH-UPセミナー」のblogはこちらNEW!

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# by t-fuji5289 | 2016-12-31 18:13 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(4)

第89回教師力BRUSH-UPセミナーin函館

【ちょっと早いですが告知開始します】


旭川から始まる北海道五大都市連続セミナーの第2弾は函館開催です!! 特別の教科道徳の模擬授業12連発は、多士済々な顔ぶれの豪華な一日。始業式・入学式の明けた最初の土曜日です。12本の模擬授業を受けるだけでも1学期の道徳に困らない? 交流タイムにはファシリテーション・グラフィックを活用した自由なおしゃべりも設定されていて、「その場で」「聞きたいことを」「聞きたい人に」聞くことができます。どうぞご参加下さい。

---------------------------------------------

第89回教師力BRUSH-UPセミナーin函館

【北海道5大都市連続セミナー②】

期 日:平成29年4月8日(土)
会 場:サンリフレ函館 大会議室
テーマ:特別の教科道徳模擬授業12連発
    ~今、道徳をどう説く?~
講 師:堀 裕嗣・大野睦仁ほか
ファシリテーション・グラフィック:
 藤原友和・小林雅哉・田名部紗穂里ほか
主 催:教師力BRUSH-UPセミナー

9:00 開場・受付
9:10 開会セレモニー

【第1部】「やる気スイッチON」になる道徳
09:15~09:35 模擬授業1 鈴木 綾(小)
09:35~09:55 模擬授業2 滝田 彩(小)
09:55~10:15 模擬授業3 田名部圭一(小)
10:15~10:35 模擬授業4 高橋勝幸(中)
10:35~10:50 交流タイム

【第2部】「葛藤のある」道徳
11:00~11:20 模擬授業5 田中のぞみ(小)
11:20~11:40 模擬授業6 前田明美(小)
11:40~12:00 模擬授業7 山口淳一(小)
12:00~12:20 模擬授業8 友利真一(中)
12:20~12:35 交流タイム

【第3部】「考え、議論する」道徳
13:30~13:50 模擬授業9  山川香緖里(小)
13:50~14:10 模擬授業10 高橋裕章(小)
14:20~14:40 模擬授業11 大野睦仁(小)
14:40~15:00 模擬授業12 堀 裕嗣(中)
15:00~15:15 交流タイム

【第4部】みんなでリフレクション
15:30~16:45 リフレクション
 ファシリテーター:三浦将大
16:45 閉会セレモニー

18:00~ 懇親会


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# by t-fuji5289 | 2016-12-04 11:05 | セミナー案内 | Trackback | Comments(0)

今日もFG+授業の可能性を考える

【構造を“浮かび上がらせる”FGの扱い】

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 今日の僕の模擬授業は、ある程度「めあて―学習活動―まとめ」に一貫性のある授業だったと思う。しかし、学習活動においては、試行錯誤の結果、読みがずれていたり、ねらいとは違ったところに学習者の意識が向いてしまったりということが往々にしてある。例えば今日の模擬授業では、学習者のつくった要約文の修正が必要な場面があった。Aがもともとの要約文、Bが修正した要約文である。


  A 言葉や年齢などの違いがわかる。

  B 言葉や年齢などの違いを超えてわかる。


 そういった場面に遭遇したら、授業者としては補助発問を投げかけたり、ほかの言葉に置き換えて説明したり、具体例を考えたりしながら、別の角度からの検討を促し、読みを修正することを試みる。本時の授業では、「絵文字の三つの特長」のうち、第一、第二のものは「例えば…」と具体例を考えると教科書の本文と整合するが、第三では主語のねじれが生じているため、違和感を覚え、気付くという場面があった。「~を越えて」という大事な内容を落としてはいけないというのが本時のまとめに反映されたのは、こんな場面があったからである。


 FGにおいては、その停滞や濁りや様々な手立てを打っているところを描くのが授業観察者としてのグラフィッカーの腕の見せ所だと思われる。しかし、確かにそれは難しいところだ。


 どんなところが難しいのかというと、流れてくる音声情報を聞き取り、書き留めるためにワーキングメモリをフル稼働させている状態において、その音声情報が授業のねらいにとってどのような意義を持つのかという「メタの視点」を同時に働かせることはかなりの負荷だからだ。授業の流れを捉えながら参加者の反応をも記録するとなると、ほとんど超人の領域のようにさえ思えてくる。


 だから、描き上げたFGは、ある程度構造化されながらも「構造化されない」「漂っている」情報も浮遊している。このFGを「まだまだ未熟だ」と考えるのは、実はまだ早い。授業後のリフレクションにおいて、授業展開上のポイントだった箇所を、授業者や助言者が黄色やオレンジなどの「弱い色」を用いて結ぶと、とたんに思考の流れが浮かび上がってきたり、どのように難所を越えたのかということがよく見えたりする。つまり、グラフィッカーが「あれども見えず」で描いている情報を、グラフィッカー以外のメンバーが構造化することができる。そして、「授業を見る視点」を共有する。リフレクションに生きるというよりFGを描くことがリフレクションそのものになる。


 このことの効果は大きい。自分の描いたものが、直後に自分の目の前で「見える化」されるのだから。グラフィッカーの「授業を見る目」が一段階あがることが期待できる(ヴィゴツキーの「最近接領域」を意識している)。また、あれども見えずのFGから構造を取り出してみせるのは、先輩教師の責任でもある。それはつまり、リフレクションが先輩教師(今日は僕がこの役割だった)にとっての負荷のかかる場でもある。そう考えたとき、完全に構造化されたFGはリフレクションを誘発しづらいと言えよう。むしろ、未完成な方が、思考を活性化させるのではないだろうか。


 授業をレコーディングし、リフレクションで再構造化する。

 FGを一人ではなく、複数でつくりあげていく。


 そういう位置付け方の一例を得た。田中のぞみのデビュー作がそのような役割を果たしたことに感慨深いものがある。彼女は新卒の一年間、期限付きの採用で、僕のクラスの交流級の子どもの担任をしていた。それから5年が過ぎた。またこうして同じ校舎で学んでいるのが何とも不思議な縁である。描いて満足のFGでは満足できなくなっているのが北海道の研究フィールドである。僕も一生懸命にそれについていこうとしている。そんなときに力強いメンバーがいるというのもやはり不思議な縁である。


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# by t-fuji5289 | 2016-11-24 22:51 | 研究の軌跡 | Trackback | Comments(0)

FG+模擬授業検討の可能性

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 今週末に企画されている函館BRUSHや、1月のことのは、詩の授業、2月の道徳授業のために若い先生方とファシグラ練習をしている。10月頃から細々と続けているわけだが、昨日は初めて模擬授業を描くことにチャレンジしてみた。


 僕の下手くそな模擬授業を描いてもらって、どんなレイアウトにするとよいか、色分けをどうするとよいか、三人の先生方が順番にグラフィックして描き終わる度にフィードバックし合うという進め方だったのだが、「これって、互いに学び合うためのいろんな可能性があるんじゃないか?」という手応えがあった。まさに瓢箪から駒。


 時間は17:30~19:00という90分間だった。


【事前準備】
 ・参加者には、教科書を持ってきてもらう。
 ・管理職に校舎使用の許可を得る。
 ・イーゼルと、WritingPadを設置する。


【進め方】
 ① ミニ講座「物語の構造分析」(藤原/15分)
 ② ミニ演習「持ち寄り教材の教材分析~境界線を探す~」(藤原/15分)
 ③ 模擬授業「雪渡り」(グラフィッカー:八重樫/20分)
 ④ 模擬授業「おにたのぼうし」(グラフィッカー:鈴木/20分)
 ⑤ ミニ講座「FGレコーディングの技術」(藤原/10分)
 ⑥ 模擬授業「健康と清潔な体」(グラフィッカー:小辻/10分)


 僕が経験年数17年。他の3人は全員2年目。
「これから若手が学校で扱う教材を使った」
「藤原の模擬授業を」
「若手がグラフィックし」
「終わったあとに全員で」
「FGみながらふりかえりを行う」


 この流れの中に、参加者それぞれの有益さがあり、更にBRUSHUPして学習可能性を高める持ち方ができるのではないかと感じている。


 まず、若手からすると素材研究ができる。ミニ講座の「物語の構造分析」自体はそのままで授業になるわけではないが、教材を語る上での「メタ視点」を獲得すると、細部の描写を意味づけていく作業がしやすくなる。価値付けした細部の描写をどのように扱い、どのようなねらいを設定していくか、単元のねらいとの関連から優先順位をつけていく作業は教材研究になるだろう。「雪渡り」では、その後に読書会が位置付いているから、「好きなところを紹介する観点」を本文で扱っていくことにした。


 そして、模擬授業を見て(反面教師として・笑)指導法研究ができる。僕の発問の粗さや、苦しい展開を見ながら「あれはやめとこう」「自分だったらどうするかな」と考えるわけだ。そして、授業を受けた若手と、グラフィッカーとしてレコーディングした若手のそれぞれの見え方を交流することで、新たな発見が互いにある(…ようにこれからなっていく予定。いまはまだ描くことに精いっぱい。授業を受けることに精いっぱい)。


 さらに、互いのファシグラを見合うことで「どんなレイアウトがよいのか」「色の区別をどうするか」など、よさがどんどん共有されていく。グラフィッカーは互いに見合うことが一番の上達論。なぜなら日常的に目にする行為ではないので、考える材料・具体例がない活動だからだ。


 僕からすると、もちよった教材に共通する事柄を見出して、その場で講座と演習を行い、その理屈を実現する模擬授業をやってみせるというものすごく負荷の高いことを自分に課し、かつそれがFGにも反映されるという「自分の情報発信の機能度」を図る機会にもなっている。
「いってることとやってることが違うじゃねーか。」
「やりたいことが形になってねーじゃん。」
ということを、グラフィックは実に雄弁に物語る(笑)要するに流れが滞ったところは、グラフィッカーが「描けない」。最近接領域的な話をすると(岡田さん的・笑)、本当はそこが一番授業者も受けている方も頭を使っているのだが。…あぁ、辛い。でも気にしない。今から頑張る。


 ただ、グラフィック見ながら、レコーディングの方法や発問がどのように機能したかを話し合ったり、授業をしながら「読みを診断」し、「修正を試みる」場面がどのように進んでいったかふり返ったりする時間はとても楽しかった。もっと駄目出ししてもらったほうが僕のためにはなるけれど、立場上、そうなるわけもなく。だからこそ、グラフィックに表れたものを自分で読み取って自分の役に立てていく。あ、これ「対立緩衝機能」だな…。


 いろんな要素がからんで、たまたま実現した学習会だったのだけれど、自分のキャラに合った進め方かも知れない。そのうち、若手にも模擬授業をしてもらいたいな。



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# by t-fuji5289 | 2016-11-23 12:15 | ファシグラ実践 | Trackback | Comments(0)

第3回グラフィッカー・フェスティバルin仙台

第3回グラフィッカー・フェスティバルin仙台
期 日:平成29年1月7日(土)・8日(日)
会 場:1月7日(土) エルソーラ仙台(仙台市青葉区中央1丁目3-1アエル 28階・29階)

1月8日(日)戦災復興記念観(仙台市青葉区大町二丁目12番1号)

テーマ:「そろそろ本気でFG授業づくりを考えよう」
講 師:全国のグラフィッカー
参加費:2日参加4000円/1日目のみ:2000円/2日目のみ:3000円
主 催:第三回グラフィッカー・フェスティバルin仙台実行委員会
日 程:

【1日目】「まずは入門編! 描いて描いて身につけよう!」
講師:藤原友和/近藤佳織
13:15    受付
13:35-13:40  開会セレモニー
13:40-14:10 「FGとは何か」
14:10-14:50 「FGのスキルを学ぼう!」
14:50-15:50 FG解説

15:00-15:15 休憩

15:15-16:00 FGにチャレンジ

16:00-16:30 FGを見せ合う 16:30-16:50 振り返り

17:30    懇親会

【2日目】「FGの授業づくりを語り合おう」
9:15     受付
9:30-12:00  「FG授業を語り合おう!~ファシリテーションの触発性を考える~」
       【話題提供者】小林雅哉/大塚未来/山川香緖里/小川まりも
       【指定討論者】鈴木優太/石橋智晴/田中光夫

       【コーディネーター】藤原友和

12:00-13:00  昼食
13:00-14:30  「FG授業を語り合おう!~レコーディングの記録性を生かす~」
       【話題提供者】田中光夫/中原 茜/近藤佳織/吉田麻都香
       【指定討論者】藤原友和/尾形英亮/吉田博子

       【コーディネーター】小林雅哉
14:30-14:45  休憩
14:45-16:00  「徹底討論! FGの機能を生かす授業って何だろう」
       【指定討論者】藤原友和/濱口恵美/中條佳記
16:15-16:45  「じっくりリフレクションタイム」
       ファシリテーター:石橋智晴
16:45~    閉会セレモニー:「そして、横浜2018へ!!」


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# by t-fuji5289 | 2016-11-20 22:42 | Trackback | Comments(0)

【募集開始】第3回グラフィッカー・フェスティバルin仙台

第3回グラフィッカー・フェスティバルin仙台

期 日:平成29年1月7日(土)・8日(日)
会 場:1月7日(土) エルソーラ仙台(仙台市青葉区中央1丁目3-1アエル 28階・29階)

    1月8日(日)戦災復興記念観(仙台市青葉区大町二丁目12番1号)

テーマ:「そろそろ本気でFG授業づくりを考えよう」
講 師:全国のグラフィッカー
参加費:2日参加4000円/1日目のみ:2000円/2日目のみ:3000円
主 催:第三回グラフィッカー・フェスティバルin仙台実行委員会
日 程:

【1日目】「まずは入門編! 描いて描いて身につけよう!」
講師:藤原友和/近藤佳織
13:15    受付
13:35-13:40  開会セレモニー
13:40-14:10 「FGとは何か」
14:10-14:50 「FGのスキルを学ぼう!」
14:50-15:00 休憩
15:00-15:40 「FGにチャレンジ!」
15:40-15:50 休憩
15:50-16:20 「FGを見せ合う!」
16:20-16:40 「振り返り」

17:30    懇親会

【2日目】「FGの授業づくりを語り合おう」
9:15     受付
9:30-12:00  「FG授業を語り合おう!~ファシリテーションの触発性を考える~」
       【話題提供者】小林雅哉/大塚未来/山川香緖里/小川まりも
       【指定討論者】鈴木優太/石橋智晴/田中光夫

       【コーディネーター】藤原友和

12:00-13:00  昼食
13:00-14:30  「FG授業を語り合おう!~レコーディングの記録性を生かす~」
       【話題提供者】田中光夫/中原 茜/近藤佳織/吉田麻都香
       【指定討論者】藤原友和/尾形英亮/吉田博子

       【コーディネーター】小林雅哉
14:30-14:45  休憩
14:45-16:00  「徹底討論! FGの機能を生かす授業って何だろう」
       【指定討論者】藤原友和/濱口恵美/中條佳記
16:15-16:45  「じっくりリフレクションタイム」
       ファシリテーター:石橋智晴
16:45~    閉会セレモニー:「そして、横浜2018へ!!」


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# by t-fuji5289 | 2016-10-30 15:36 | セミナー案内 | Trackback | Comments(0)

【MM】ファシリテーション・グラフィックをはじめよう(14)

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北海道・北斗市の山川香緖里さんの実践です。
ファシグラ×思考ツール×ワークシートというアイディアを生かして、授業システムの中にファシグラを位置付けています。Xチャートを使うことによって、子どもがファシグラを描くためのスモールステップを実現しています。

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# by t-fuji5289 | 2016-10-29 11:00 | ファシグラ実践 | Trackback | Comments(0)

【MM】ファシリテーション・グラフィックをはじめよう(13)

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愛知県・名古屋市の奥井貴仁さんのファシグラ。
町探検の前後で活用し、「自慢」をみつけるという授業に活用されています。


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# by t-fuji5289 | 2016-10-29 10:21 | ファシグラ実践 | Trackback | Comments(0)

【熊本FGふり返り・その2】

【熊本FGふり返り・その2】

(1) 17世紀におけるカトリックの「民主化」提案

カンバーランドは17世紀の思想家です。カトリックが権威を失いつつある中で、彼は「仁愛」の思想を再評価することを試みました。それと同時に教会の重要さも主張したわけです。

堀内による解説では、カンバーランドは「仁愛は誰でもその重要さを理解している。神がそのように人間をつくっているのだから。だが、実際に幸福に近づくためには教会の助けも必要である。」と論じたそうです。堀内は、この主張のあり方に「政治版マーケティング3.0」の萌芽をみたと指摘しています。

それは、キリスト教と教会という「システム」から宗教性を取り除いたときに、何が見えるかということです。このあとの解説がざっくりしすぎていて藤原としては簡単に分かった気になることに警戒もしているわけですが、やはりわかりやすいので(笑)そのまま引用します。

「そこで行われているのは、アクセスが容易な場所で、自分よりもちょっと知識のありそうな人に会いに行くことで、自分の幸福への欲求に適切な導きを与えてくれるということだ。これは仕組みとしては民主主義のモデルに他ならない。」

近代の学校にもそのまま適用できそうなもでるですね。学校が教会をモデルにして誕生したことは、イギリスにおける公教育の歴史をひもとけば自明なのですが、ここでは触れず、「主体は誰か」ということから考えて見ましょう。

カンバーランドは、主体を教会から信者へと転換したのではないでしょうか。ただただ神に従うのがそれまでのカトリックの教えだとしたら、彼は「主体としての信仰」を信者に認めた。人間の中に、神によって予めセットされた仁愛がある。その発揮の手助けをするのが教会であるというように。なんだかこれ、とってもファシリテイティブですね。人生は信者自身のもの。教会はそれを導く支援者。神から降ろされた使命を生きるのでは無く、神が与えた命を生きていく。そのように転換したのではないかと思います。
(ただし、この後彼は神学論争に巻き込まれていくそうです。そりゃそうですよね。パラダイムを転換してしまうのだから)

(2) 改めて「ラスボスの長老化」を考える


さて、これを熊本FGの会における指定討論者の位置づけと関連させて考えます。昨日の投稿では、私は次のように書き込みました。

----引用開始----------------------

1 授業リフレクション×FGの新たな可能性を得た。

① 事前検討+FG(既)
② 模擬授業+FG(既)
③ 授業中は参観者を2グループに分けてフィッシュボウル
 (既/考案者:三浦将大)
④ FGを撮影して、プロジェクタにて拡大投影。(新)
⑤ 授業者が画像を操作して授業の振り返り。(新)
⑥ 授業者の振り返り中に原版FGにさらに書き込む。(新)
⑦ 指定討論者からコメント+FG(既)
⑧ ⑤~⑦を受けて、グループでリフレクション。(新)
⑨ 全体リフレクション(既)

BRUSH-UPで三浦さんが考案した授業検討の方法をアレンジして熊本でも使わせてもらった。十全に機能を発揮させるためには種々の条件を整える必要は感じたが、中学・高校で教科の壁を越えて授業を検討する際の手がかりが得られた。

事前検討の持ち方は冬の千歳で行った「部屋の四隅」方式と組み合わせたほうがおそらく効果が上げられる。まぁ、これは今回のデザインにははまらない方法なので12月に溝上さんがどのように実施されるのか注目したい。

それから、指定討論者のタイミング。指定討論者を引き受けていただいたのが県の指導主事で、AL推進の中心人物である和田先生だからこその核心を突くものであったことが大きいのだが(高校数学と中学社会の模擬授業に対して、同じ時間配分で大半が高校の先生方であるフロアを唸らせるコメント…いつかその境地に立ちたい…)指定討論者を「ラスボス」(笑)にしない。冒険者たちに旅の途中で知恵を授けてくれる「長老」になってもらう。「ラスボスの長老化」がポイント。


----引用終了----------------------

ここでいう「ラスボス」は、カトリック的「神」の位置に他なりません。教育行政という「神」の位置から授業を講評する。それは「正しさ」として機能することを期待されています。模擬授業者の提案、つまり「試み」に対して、正誤適否の判断を下すことが役目です。

これに対し「長老」は支援者の立場です。模擬授業者の提案に対し、フロアにいる参加者が自分の現場に持ち帰る知恵として「方向付け」と「考える材料を価値付けする」ことが役割の中心です。

熊本の会では、上記のように指定討論者の出番をグループ討議の前にもってくるデザインでした。それは、模擬授業を「検討」するのではなく、模擬授業という素材の提供を受け、どのようにそれを受容すべきかという長老の価値付けを経た上で、個々の課題に向かって思考をふかめていくことを目指したことに拠ります。

また、昨日の会では「ALの授業づくり」がテーマでした。
これがキャリア教育や人権教育のように、ある程度議論の土俵が形作られているテーマでしたら、ラスボスでも構わないと思います。ですが、ALについては、まだまだ未知の領域です。手探りで始めようという段階です(参加者の大半が、高校の先生であり、切実な問題意識をお持ちのベテランということも見逃せない要素です)。そういうわけで、扱ったテーマに対して、「長老によるオリエンテーション」が有効だったと考えています。

裏を返せば「いつでも・どこでも」有効なアプローチではありません。あくまでもテーマとの関連で講座全体をデザインしたときには「長老化」が有効であった(のではないか?)ということです。

(3) まとめ

 講座デザインは、その目的により有効な形が目指されるものです。ですから、熊本FGセミナーに大変高い評価をいただくことはとても嬉しいことですが、もっとよく出来たはずだ、とも考えています。私の未熟さです。

 例えば授業観察者の「観点」を共有した方がよかったのではないか、参観者の位置と参観ポイントを「小学校の場合は」と例示した方がよかったのではないかと反省点が多いです。また、上記では触れていませんが、私の「構成員への理解」がもっと高ければ、個々に有益な役割を請け負っていただくことで、効果を上げられたのでは無いかとも考えています。至らぬ点ばかりで恐縮ですが、今後の研究に活かしていきます。

 提案の場を下さった溝上さんを始め、ご縁をいただいた皆さんに改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

参考文献)
堀内新之介『感情で釣られる人々』集英社新書
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# by t-fuji5289 | 2016-08-16 22:21 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

【熊本FGふりかえり】

【熊本FGふりかえり】

熊本のFGセミナーは、僕の方がいろいろと勉強させてもらった。帰ってからじっくりと考えていくためにメモ。

1 授業リフレクション×FGの新たな可能性を得た。

① 事前検討+FG(既)
② 模擬授業+FG(既)
③ 授業中は参観者を2グループに分けてフィッシュボウル
 (既/考案者:三浦将大)
④ FGを撮影して、プロジェクタにて拡大投影。(新)
⑤ 授業者が画像を操作して授業の振り返り。(新)
⑥ 授業者の振り返り中に原版FGにさらに書き込む。(新)
⑦ 指定討論者からコメント+FG(既)
⑧ ⑤~⑦を受けて、グループでリフレクション。(新)
⑨ 全体リフレクション(既)


BRUSH-UPで三浦さんが考案した授業検討の方法をアレンジして熊本でも使わせてもらった。十全に機能を発揮させるためには種々の条件を整える必要は感じたが、中学・高校で教科の壁を越えて授業を検討する際の手がかりが得られた。

事前検討の持ち方は冬の千歳で行った「部屋の四隅」方式と組み合わせたほうがおそらく効果が上げられる。まぁ、これは今回のデザインにははまらない方法なので12月に溝上さんがどのように実施されるのか注目したい。

それから、指定討論者のタイミング。指定討論者を引き受けていただいたのが県の指導主事で、AL推進の中心人物である和田先生だからこその核心を突くものであったことが大きいのだが(高校数学と中学社会の模擬授業に対して、同じ時間配分で大半が高校の先生方であるフロアを唸らせるコメント…いつかその境地に立ちたい…)指定討論者を「ラスボス」(笑)にしない。冒険者たちに旅の途中で知恵を授けてくれる「長老」になってもらう。「ラスボスの長老化」がポイント。

2 FGスキルが即反映させられる場が構想できそう。


午前中にFGスキルをトレーニングして、午後の模擬授業+FGを設定。参加者にFGを担当してもらう。複数同時進行も可。設定自体はBRUSH-UPセミナーで実施しているが、今回のようなアウェイの地で現地事務局や一般参加者に預けるのもよいと思った。

3 高校のALに対する危機感はとても強い。

系列校が廃校になったという高校の先生のお話はつよい危機感を覚えるものだった。裏返せば、それがあの日の熱気につながっているというわけだ。人ごとではないなと感じた。

4 溝上さんたちがつくられている場がとても素敵だった。

事務局の方々、リピーターの方々、初めて足を運んだという方々…。積み重ねてきたモノが信用になるのだなぁと思った。西尾さんや笹原さんとの対面に感動した。内藤さんや西村さんとの再会も嬉しかった。八巻さんが会場に来てくれた。模擬授業者の園田さんも小田さんも、とてもとても力量のある方で、背筋が伸びた。やばいな、おれ。もっと勉強しなきゃ。豊田さんや寺本さんをはじめとするスタッフの方々の動きも真似したい。また、この日に出会った皆さんに刺激をもらった。問題意識を強くもっている方々が集まる場所はそれだけで刺激的になる。あ、末吉さん「魔王」ごちそうさまでした(笑)

5 50代が元気な場所は、学びも豊か。

熊本で最も強く感じたところはここかもしれない。
ベテランが貪欲に学んでいたら、若手がサボるわけにはいかない。とはいえ、部活はやはり若い先生の仕事になるようで、なかなか職場を離れて学びに出られないそうだ。
そのことはおいても、学びの姿勢に見習うところが大きい。

6 縁はどんどんつながっていくこと。

知り合いの知り合いがどんどんつながり、それが新たな気づきやチャレンジを呼び起こしてくれる。熊本はそれが凝縮されていたように思う。そして、僕がすっからかんにならないために、FGのことと日々の記録の在り方をもっともっと自覚的に、こだわりをもって、しつこく続けていく必要がある。

まだまだあるけれど、空港のロビーで立ったまま打ち込むことにちょっと疲れてきたので、また機会を改めて。

熊本でお目にかかった皆さん、本当に本当に有難うございました。
もっともっと成長して、また伺います。
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# by t-fuji5289 | 2016-08-16 22:18 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

旭川での研修主任の会とファシグラの位置付け

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 『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)☆第3757号☆
                  2016年7月13日:水曜日発行
   編集・発行 梶原末廣       sukaji@po.synapse.ne.jp
  http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/sukaji/index.html
http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/kyoushi/index.html
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◆「ファシリテーション・グラフィックをはじめよう」(11)藤原 友和(北海道)
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【連載】

■「ファシリテーション・グラフィックをはじめよう」(11)

          藤原 友和(北海道)


◆「グラフィック・“ファシリテーション”を機能させるFG(その2)」


1 「研修担当者連絡協議会in旭川」のお話

前号では、中堅・若手の研修担当者が集って互いの実践を交流する集まりの中で、
FGを活用して「共通の議論の土俵づくり」を行った、という話をしました。そし
てそれが当事者意識を喚起し、アイスブレイクの機能も果たしているという側面
についても述べました。

今回は、この学習会の後半部部分、互いの実践を持ち寄り交流する場面での様子
を報告します。当日のタイムテーブルは以下のようになっていました。

 10:00~11:00 自己紹介を兼ねたワークショップ「研修の難点ってどこ?」
 11:00~12:30 資料共有・話し合いの時間1「実際、どうやってるの?」
 12:30~13:30 昼食
 13:30~14:30 資料共有・話し合いの時間2「実際、どうやってるの?」
 14:30~15:00 ふり返り

 11:00以降の「資料共有・話し合いの時間」が今回のお話です。


2 「コンテンツ」と「プロセス」を分けることを意識する

(1) グラフィッカーへの注文

 基本的には次のように進めています。

・それぞれがもってきた資料を配付する。
・全員でざっと目を通す。
・誰かが誰かの資料に対してコメントする。
・話し合いの経過をレコーディングする。

この進め方を参加者に説明したあとは、ファシリテーターである私も参加者の一
人になります。自分自身もレポートをもって参加していますので、フラットな立
場で議論に加わります。

同時に、Gさん(グラフィッカー)には次のようにお願いしました。

「レポートに書いてあるような内容はレコーディングしないで下さい。それより
も、レポートをきっかけにして始まったやりとりの方を重点的に拾って下さい。」

これはつまり、「抽象の梯子を登る」レコーディングをお願いしたということです。
順を追って考えてみたいと思います。


(2) 描くべき内容をレベル分けして考えてみる

まず、自分の学校での研修を推進する仕事・そこで起きている様々な事象を「レベ
ル1」とします。実際に行ったこと、肌で実感したこと、まさに現場で起こってい
る事実のことだと考えて下さい。

次に、レポートは「レベル2」です。自分なりに事実をどうとらえてどのように記
述したのか。一段階レベルが上がっています。レポートは純粋なる事実の記述では
ありません。あくまでも報告者の主観によって「選択された事実」です。

それから、レポートについて説明するときの言葉を「レベル3」とします。これは、
「選択された事実」を、相手に対してどのように価値付けしながら伝えるのかとい
うフィルターがかかっていますので、さらに主観を反映する度合いが大きくなるで
しょう。

ここまでをレポーターの提供する「コンテンツ」と考えます。

さらに、話し合いが始まって、参加者それぞれが発言した意見や感想などのコメン
トを「レベル4」とします。参加者それぞれが現場で面している課題も、各人の問
題意識のありようも様々です。レポーターの提案に対する個別の反応を、この段階
とします。

最後に、ある程度議論が深まって、互いの問題意識が明らかになりながらも、「結
局、話し合われたことはどういうことなのか」という共通認識に至ったとします。
これを「レベル5」とします。議論の一応の着地点です。


(3) 期待される「機能」とはなにか

Gさんにお願いしたのは、「レベル3以降のレコーディング」ということでした。
レポートに書かれている内容を模造紙に描く必要はありません。構造化されて記録
されるべきは「議論のプロセス」と、「共通理解に至るまでに出てきたキーワード」
なのだと考えます。後者を足がかりにしながら、事象に接していたときには見えて
いなかったことやものに気づいていくこととが大切で、グラフィックはそれをファ
シリテート(促進する・容易にする)ためのものです。

そうであるならば、当事者では無い参加者(ファシリテーターである私を含めて)
は、「レベル1」のことを知ることはそもそもできません。「レベル2」や「レベ
ル3」を手がかりに想像を巡らせることがせいぜいです。そして、「レベル2・3」
のことだけを問題にしていたのでは、現状維持・再強化にしかなりませんから、益
するところは大きくは無いでしょう。

参加者にとっても、レポーターにとっても、つまりその「場」にいる全員にとって
も意味があるのは「レベル4」を共有しながら「レベル5」に至ることではないで
しょうか。グラフィック・ファシリテーションが機能したかどうかは「レベル4・5」
を実現していたかどうかにかかってくるのではないかと思います。

もちろん、グラフィックだけに依存するものではありません。全体のプログラムや、
参加者のありよう、ファシリテーターの存在、時間配分や環境設定など、複数の要素
が考えられますので一概にグラフィックの機能として論じることは難しいのかも知れ
ません。が、「何を狙って、どの部分を」描くのかを考えることで、「どのように描
くのか」が決まるのでは無いかと思います。
 

3 その結果、会はどうなったか

Gさんは、この会を次のようにふり返っています。

***(引用開始)************************************

FG担当としての視点で、振り返ってみました。

藤原先生からお話があった、「レポートに書いてあることより、やりとりを。」とい
うことを強く意識して描きはじめました。しかし、実際に描きはじめてみると、すぐ
に、ほとんど意識しなくなっていました。というのも、この会は単なるレポートの紹
介ではなく、背景にある実践の詳細であったり、その時の思いであったり、学校での
同僚との関わりを語るものとなっており、そこから生まれる参加者とのやりとりが中
心となっていたためです。私が描くFGも、自然とその場で飛び交っていた先生方の言
葉を切り取るようなものとなっていました。

重要と思い描き留めたのは次のようなところです。

1)おしゃべりに勢いがあったところ。
2)その発言をきっかけに話が発展したところ。
3)その発言をきっかけに話が止みうーんとみんなで考えたところ。
4)話がひとつのキーワードにまとまったところ。

このとき意識したのは、聞いた言葉を、できるだけ発言した先生のそのままの言い方
に近い形で描くことです。私の解釈で別の言葉や言い回しに置き換えたときに、他の
参加者にとって分かりにくくなってしまうと思ったからです。そのままの言葉であれ
ば、FGを見返したときにそれぞれがそのときそこで感じたことを思い起こすことがで
きるのではないでしょうか。(可能性大ですか?)

今回、この会でFGを担当させていただいて、描いて心に残っているフレーズは「どの
学校も似てるのね」です。ある程度描き進められたFGを眺めながら、ある先生がつぶ
やいた「どの学校も似てるのね…。」この会で感じたこと、得たもの、グっとくるポ
イントはそれぞれかと思いますが、「ああ、みんな同じような悩みを持って頑張って
いるんだ。」と共感し合えた会だったように思います。先生たちの生の声を描き留め
ようとしたFGが、こういった共感を生み出せたことに少しでも役に立てていたらなら
嬉しいなと思います。

            (野澤愛子・中頓別小学校)
***(引用終了)************************************

本人も意識されていますが、Gさんのグラフィックは「なるべく主観を交えないで描く」
グラフィックでした。これは私の依頼であることはもちろんですが、もともとそのよ
うに描いている方でした。そこで、このような場には相応しいと思って登壇を依頼し
たという経緯があります。その期待に十二分に応えていただきました。

さて、Gさんのふり返りの中から、次の問題提起が見えてきました。『「ああ、みんな
同じような悩みを持って頑張っているんだ。」と共感し合えた会だったように思いま
す。』という発言です。ポイントは「共感」です。Gさんのグラフィックがこのため
に大事な役割を果たしたことは言うまでもありませんが、新川宏子さんが別の角度
からふり返って下さいました。


***(引用開始)************************************

初めて参加した研修担当者連絡協議会。いったいどんな会になるのかドキドキしなが
ら、でもとても楽しみに参加しました。少し遅れて会場に入るとすでに話し合いは始
まっていたのですが、自分が参加するまでにどんな話が出ていたのかということがフ
ァシリテーショングラフィックに記録されていて、見ただけで大まかな流れを瞬時に
つかむことができスムーズに話し合いに参加することができました。また、この話し
合いの中で私が不思議だなぁと感じたことは、多岐にわたる話題が提供されたのにも
かかわらず、とっ散らかった印象が一つもなかったということです。それは場を交通
整理してくださった藤原さんのファシリテートとグラフィックによるところが大きい
と感じました。藤原さんは場の話題とグラフィックをつなぐ役割をとても上手に果た
してくださったと思います。フロアーはそれぞれが言いたいことを言いながらほかの
フロアーとつながりあっていたのだと思います。そのつなぎ目にいたのが藤原さんで
あり、グラフィックであったと思います。あの場の空気を言語化するのはとても難し
いのですが、そこにいた者にしか感じられない不思議な親和感がありました。それは
場を共有する、問題を共有したメンバー独特のものだと感じました。時間が進むにつ
れて、どんどん本音が出てきて初めて会ったメンバーとは思えない空気が醸成されて
いたのでした。

様々な研修会や会議がたくさんありますが、短時間であっという間にフロアーをつな
いでしまうファシリテーターやグラフィックの役割の大きさを感じたのはこれが初め
てだったかもしれません。あまたの研修会でその内容を記録した素晴らしいグラフィ
ックをたくさん見てきましたが、話し合いを可視化し、今まさに進行する論議を助け
るものとしてのグラフィックを見たのはこれが初めてだったかもしれません。ファシ
リテーショングラフィックの新たな可能性を感じた協議会でした。

***(引用終了)************************************

過分なお褒めを言葉をいただいて恐縮ではあるのですが、新川さんのふり返りの中に
は、これまで私自身があまり意識してこなかった部分が指摘されています。それは、
グラフィッカーとファシリテーターの分業ということです。

これまでに私自身が描いてきた場では、グラフィッカーとファシリテーターを兼ねる
ことが多かったので、FGについて何か言おうとすると、グラフィッカーとしての発言
が多くなっていました。フィードバックをいただくのも、あくまでも「兼業した場合」
に限定したものです。

今回、新川さんからいただいたように、「ファシリテーターとしての私」に対するフィ
ードバックは、ファシリテーション・グラフィックを考える上で、「場づくり」の大切
さと、「場づくり」の全体となる背景を踏まえる必要性を感じさせてくれました。感謝
の思いは尽きません。


4 次回予告

さて、次回はファシリテーション・グラフィックが位置付く「場づくり」の話をしたい
と思います。一つには「時間的な軸」。「研修担当者連絡協議会」という会が、どのよ
うな経緯で一つの場をかたちづくっていったのか、「議論の見える化」という視点から
ふり返ってみたいと思います。

もう一つは「空間的な軸」。この日の環境設定と、その機能を考えていきたいです。

それではまた!


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【最終案内-1】

◆「中高MM3500号記念懇親会」


昨年秋に中高MMは3500号を発行しました。既に3754号を編集・発行
(7/10)致しましたが、きりの良い3500号記念お祝い会を開催します。
執筆者&購読社の皆様とお目にかかり歓談と夕食の時間(編集会議)を持ちたい
と考え企画しました。

どうぞ、皆様、執筆者でなくとも「教育」や「コミュニケーション」や「カウン
セリング」などに興味がある方ご参集いただければ幸いです。ふるってご参加
加いただきますようお願い申し上げます。


*「中・高教師用ニュースマガジン」(中高MM)3500号記念*


日 時:7月26日(火)20:00~22:00

会 場:山有fukuitadaki(仮)http://sanyu-fukuitadaki.jp/
住所:〒890-0056 鹿児島県鹿児島市下荒田2丁目12?15
電話: 099-204-0677

会 費:3500円

参加者:10名(残5名)

対 象:中高MM執筆者&購読者&教育関係者(含保護者)

ゲスト:ハワード・カツヨ氏(教育学博士)(アメリカより帰国)
    カリフォルニア州立大学名誉教授・カウンセラー 
    カリフォルニア州認定マリッジ・ファミリー・セラピスト
    TRUE COLORS JAPAN マスタートレーナー
    True Colors Japan: http://truecolorsjapan.jp/

★【申込みフォーム】こちらからご記入いただければ、幸いです。
    http://form1.fc2.com/form/?id=195314


*または、直接次のメルアドまたはお電話ください。
 kanoyu@po.synapse.ne.jp (中高MM)
 (連絡先:090-1346-3090)


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【最終案内-2】


◆「子ども・教師・保護者も幸せになる!ぶつからない指導入門」
~第17回霧島プロジェクト in 指宿~

【講師】城ケ崎滋雄氏(著書多数・千葉県公立小学校教諭)
    http://jougasaki.blog.fc2.com/

【日時】2016年7月30日(土)
    13時受付開始
    13時20分スタート~17時50分終了予定

【会場】開聞山麓香料園(指宿)
http://www.hoshogarden.com/

【募集人員】20名(残10名)

【参加費】2,000円

【夕食懇親会】1,500円

【セッション内容】

受 付:13:00~13:20
開講式:13:20~13:25
セッション1(アイスブレーキング):13:25~13:55
セッション2:授業こそ学級づくりの核~城ケ崎先生の国語授業を体験~
セッション3:城ケ崎先生はなぜぶつからない指導をするのか? 
       みんなが幸せになるぶつからない指導入門
<休憩> 「開聞山麓香料園」散策
    (オーナーの宮崎氏よりガイド付き案内:植物・昆虫採集も)
セッション4:こうして保護者と教師で子どもを育てる!! 
       城ケ崎先生は保護者とどう付き合っているのか
セッション5:城ケ崎先生に質問&回答コーナー
閉講式:17:30

*皆で後片付け*

夕 食(兼懇親会):18:30~20:30

【オプション】「指宿(周辺)観光」(費用各自負担)
 ・2016年7月31日(日)9:00~13:00(含昼食)

★【申込みフォーム】こちらからご記入いただければ、幸いです。
    http://form1.fc2.com/form/?id=141290



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◆「かごしま朗読Cafe」2016年 下半期◆

●第2回さかのうえ哲学カフェ(テーマ:豊かさについて)
   7月10日:「カフェラカン」
     参加者:8名(7/10)

☆第1回まちさるくからのランチミーティング
   7月17日:会場未定
   まちさるく(町歩き)をして一緒にランチと歓談
   参加予定者:2名(7/10現在)(5~10名定員)

★8月29日開催予定:Maria cafe(天文館)
   参加予定者:11名(7/4現在)

★9月25日開催予定:Chaho Shimodouzono (中央駅前)
   参加予定者:5名(7/4現在)

*直接次のメルアドへ申し込みください。

 kanoyu@po.synapse.ne.jp (かごしま朗読会)

 (連絡先:090-1346-3090:かごしま朗読会)

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===編集日記=== 

  皆様に支えられて「日刊・中高MM」第3757号です。

 藤原友和さんの「ファシリテーション・グラフィックをはじめよう」、
 お届けします。

 ・「グラフィック・“ファシリテーション”を機能させるFG(その2)」

 ・全体のプログラムや、参加者のありよう、ファシリテーターの存在、
  時間配分や環境設定など、複数の要素が考えられますので一概にグラ
  フィックの機能として論じることは難しいのかも知れません。が、
  「何を狙って、どの部分を」描くのかを考えることで、「どのように
  描くのか」が決まるのでは無いか。

 FGの可能性というか、やはり機能性についてこれほど理解がいく文章は
 ないのではないか。ものごとの理解には様々な方法があるが、これほどそ
 れを実践したものは少ない。結論ではなくプロセスを示すことで逆にその
 思想がみてとれる。形で言えば、一方通行でもなく、双方向でもなく、あ
 えていえば、三竦(すく)みの形でより課題を浮き彫りにする。

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       皆様のご意見・ご感想お待ちしています。
       sukaji@po.synapse.ne.jp
       梶原末廣【インターネット編集長】
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中・高校教師用ニュースマガジン 2000年3月26日創刊
  編集・発行 梶原末廣 sukaji@po.synapse.ne.jp 
◎バックナンバー
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☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆2016年☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆              

【2016年7月】

14 「環境問題について」(174)枝廣淳子(千葉県)
   「東北の春」(3)梶原末廣(鹿児島)
15 「特別支援教育の在り方」(10)吉田博子(東京都)  
16 「静の旅育ち」(18)本田 静(鹿児島) 
       ~イタリア7泊9日記~
17 「新 教育をみつめて」(47)土橋英光(埼玉県) 
   「鈴木敏恵の未来教育インフォメーション」(3)鈴木敏恵
   「生徒へ送る心のメッセージ~教師のための新しい視点~」(66)
                 桑原規歌(愛知県) 
18 「リフレクションの探求と実践」(9)中島 久樹(東京都)
19 「百菜園便り」(65)木原ひろしげ(福岡県)  
20 「月刊 学び工房eiichi」(31)原口栄一(鹿児島) 
   「雑感・相手の立場 」(46) 西澤俊英(滋賀県)
21 「総合学習回顧録ー小学生ママと総合学習」(86)名生修子(兵庫県)
22 「立ち止まってメモしたことを」(11)北原妙子(熊本県)
23 「プロジェクト志向でいこう!」(96)若槻徹(島根県)
24 「教育への道~グローカルアカデミー~」(13)岡本尚也(鹿児島県)   
25 「子どもたちのわくわくアート」(122) 西尾環(熊本県)
26 「子どもの頑張りを認めてくれる先生」(16)城ヶ崎滋雄(千葉県)
「教師のための読書話~今月のお薦めの一冊、二冊、三冊」(13)
                 長瀬拓也(京都府)  
27 「学びが深まるアクティブラーニング(AL)の授業設計」(11)
    水野正朗(愛知県)
28 「学校英語と実用英語」(10)浜田雅暢(鹿児島) 
29 「僕らはみんな生きている」(118)杉山武子(鹿児島)    
30 「想いは南風に乗せて-あなたの心に」(63)堂園晴彦(鹿児島県)
31 「スイスで先生~生物学教師になるまで」(40)ブランド那由多(スイス)
   「森知子の旅と本」(3)森知子(スペイン)

【8月例年通り休刊月です:臨時号は編集発行】


【2016年9月】

01 「僕らはみんな生きている」(118)杉山武子(鹿児島) 
02 「映画の中の先生たち」(19)木原ひろしげ(福岡県)
03 「東北の春」(4)梶原末廣(鹿児島)
   「島に、生きる。」(70)山下賢太(鹿児島)
04 「環境問題について」(175)枝廣淳子(千葉県)
05 「ボーダレス・アート・ラボ 虹から」(14)岡崎あかね(大阪府)
06 「子どもたちのわくわくアート」(123) 西尾環(熊本県)
07 「理想の学び舎作りへ」(22)瀬尾公彦(愛知県)
08 「ヒサシは歩くよ何処までも」(20)大岩根 尚(鹿児島)
09 「沖縄ものしりクイズ100問」(3)蔵満逸司(沖縄県)
10 「ファシリテーション・グラフィックをはじめよう」(12)
                 藤原 友和(北海道) 
   「葦の髄から」(12)梶原末廣(鹿児島)
11 「生徒へ送る心のメッセージ~教師のための新しい視点~」(67)
                 桑原規歌(愛知県)


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<不定期の作品>

「音楽・平和・学び合い」(27)笹木陽一(北海道) 
「数学教育の散歩道」(18)下郡 啓夫(北海道)
「こんなんもありますVer3 ライオンズクエスト
       (ライフスキル教育)」(6)原田達明(熊本県)
「徒然つばめ本紀行」(5)小村勇一(鹿児島県) 
「薫のデジタルにっし」(78)Slotsve堀内(アメリカ)
「読み聞かせる教室づくり」(30)石川晋(北海道)   
「モスポイントたより」(92)クニコ・ホール(アメリカ)
「ITのお世話の日記」(24)山之上 卓(鹿児島県)
「一歩ずつ」(56)岩堀美雪(福井県)
「日常性の教育学」(36)上條晴夫(宮城県)
「夜間教職大学院にて」(3)壷坂宣也(兵庫県)
「目線を変えて見えた世界」(91)野元尚巳(鹿児島) 
「リアル熟議inSATSUMA」(11)梶原末廣(鹿児島) 
<連載休載中の作品>
「森知子のナワホタ日記」(11)森知子(キルギス)
「書写の森」(6)大平恵理(東京都)
「数学まるかじり」(34) 山崎直和(鹿児島) 
「新聞読み比べ~NIEのヒントに~」(32)谷口泰三(東京都)

==================================================================
【読者アンケート】本日の作品はいかがでしたか? 
 http://clap.mag2.com/driacrisur
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★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆2016年☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

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# by t-fuji5289 | 2016-07-13 23:54 | ファシグラ理論 | Trackback | Comments(0)

『中高MM』の原稿です。

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 『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)☆第3743号☆
                  2016年6月30日:木曜日発行
   編集・発行 梶原末廣       sukaji@po.synapse.ne.jp
  http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/sukaji/index.html
http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/kyoushi/index.html
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■ 「ファシリテーション・グラフィックをはじめよう」(10)藤原 友和(北海道)  
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【連載】

■ 「ファシリテーション・グラフィックをはじめよう」(10)


         藤原 友和(北海道) 


◆「グラフィック・“ファシリテーション”を機能させるFG」

1 これって本当に“ファシリテーション”グラフィックなの?

5年前に拙著『教師が変わる!授業が変わる!「ファシリテーション・グラ
フィック」入門』を上梓してから、ありがたいことに各地のセミナー等でグ
ラフィック・レコーディングを目にすることが多くなりました。

ファシリテーション・グラフィック人口もずいぶん増えています。フェイス
ブックやツイッターでは、セミナーで描かれたグラフィックが一時期、よく
投稿されていました。もっとも、著作権の関係で最近では講師の話がダイレ
クトに読めてしまうことに対して配慮して、詳細が見える形では投稿されな
くなってきています。セミナーにおける情報は対価を支払って受け取ってい
ますので、これは当然配慮されるべきことと考えています。

さて、描く人が増えてくると、様々なアイディアが開発されたり、テクニッ
クが披露されたりして互いに学び合う機会も増えてきます。これはとても望
ましいことだと考えている反面、次のような「お悩み」の相談も受けること
が多くなってきています。

「確かに、上手く描けると嬉しいし、見ている人もほめてくれる。けれど、
描いたことが何の役に立っているのかわからなくてもやもやする。」
「“ファシリテーション”というからには、触発したり、何かを促進したり
しなければならないと思う。だけど、ただ描いているだけのような気がする。」

なるほど。

これは、よく目にするようになったものが、「グラフィック・レコーディング」
であり、「グラフィック・ファシリテーション」ではないということに由来し
ます。

そもそも、グラフィック・ファシリテーションは「行為」です。話し合いやか
かわり合いを促進する行為を、グラフィックを通じて行うということですので、
SNSで拡散するといっても、それは結果として描かれた「静止画像」でしか
ありません。

たとえば、板書を見れば授業が分かるとは言いますが、そこで具体的にどのよ
うな教師と子どものやり取りが行われていたのか…まではわかりませんよね? 
これと同じことで、画像だけを見ても、ファシリテーションとして機能してい
る姿をイメージすることはなかなか難しいことなのではないかな、と思います。

そこで、今回からは、私が実際に行ったグラフィック・ファシリテーションの
様子を報告します。それでも文字情報の域は越えないのですが、画像とともに
「考える材料」にしていただければ幸いです。


2「研修担当者連絡協議会」という集まりでグラフィック・ファシリテーション!

 (1) どんな会なのかというと

この会は、その名の通り、研修担当者が集まって、それぞれの学校での仕事を
話し合う会です。平成27年度から、若手・中堅の研修担当者が「校内研修を
どうやって進めたらいいのだろう」という問題意識のもと学び合う会を始めま
した。

北海道の地方都市・函館で産声を上げたこの会は、その後、洞爺湖・千歳市・
旭川市・網走市と北海道各地に広がっています。ありがたいことに関西でも始
めるという声を聞きました。埼玉でも始まるかもしれません。

この会では、基本的には「何でも自由に話し合う」ことにしていますが、初め
ての土地やメンバーで開催するときには、ファシリテーショングラフィックを
位置づけて、「対話が促進される仕組み」をつくっています。


 (2) 旭川会場での開催

平成28年6月26日に北海道旭川市で行われた「研修担当者連絡協議会in旭
川」では、6人の参加者により、次のように進めました。

 10:00~11:00 自己紹介を兼ねたワークショップ「研修の難点ってどこ?」
 11:00~12:30 資料共有・話し合いの時間1「実際、どうやってるの?」
 12:30~13:30 昼食
 13:30~14:30 資料共有・話し合いの時間2「実際、どうやってるの?」
 14:30~15:00 ふり返り

参加者6人のうちの1人は、グラフィッカーとしてお願いした、研修担当では
ない先生です(グラフィッカーとして交流がある友人です。以下、Gさん、と
します)。

さて、この会は「勝手にしゃべって、勝手に触発されて、自分の現場に帰って
いく」ことをコンセプトにしています。ですから、互いの意図するところが開
示され、率直な思い付きを出せるような安心感が保障されていることが大切で
す。そして、そのような場で、思い付きでぽろっとでてきた「フレーズ」が、
その後の自分の仕事の指針になったり、勇気づけてくれるものであったりする
わけです。

先日の旭川の会ですと、「可能性体」「大先生」「キャズムを超える」といっ
たフレーズが生まれました。…なんのことかわからないでしょ? それでOK
なんです。参加者にとっては、「当事者としての自分が、自分の仕事を進める
ための対話と思索を通してぽろっと出てきたフレーズ」です。きっと、現場の
仕事を豊かにするのでしょうから。


(3) ファシリテーション・グラフィックをどのように位置付けたか

この会では、2枚の模造紙を使いました。「自己紹介を兼ねたワークショップ」
で1枚、「資料共有・話し合いの時間」で1枚です。

<1> 「自己紹介を兼ねたワークショップ」でのFG

座席をコの字型に並べます。見やすい位置に模造紙を貼ります。
そして、模造紙には灰色のペンで、「途中が細くなったパイプ」を描きました。
ここで、グラフィッカーを交代します。私は環境設定をしただけで、続きはGさ
んにバトンタッチしました。

「初めて会う人もいますから、自己紹介をしませんか? そのとき、“研修って、
こういうところが難しいんだよなぁ”という話もしてください。」

模造紙の中心にタイトルを書きます。『校内研修、ここが“難点”』としました。
「途中が細くなったパイプ」とは、「ボトルネック」を象徴するイラストです。
つまり、こういう認識に立っています。

*   *   *   *   *   *   *   *   *
  「研修がうまくいかない」のではない。
  本当は上手くいくはずだけど「邪魔している何かがある。」のだ。
*   *   *   *   *   *   *   *   *

このことは、自分以外のものに責任転嫁することを推奨しているのではありま
せん。だって、自分自身がその「邪魔している存在」かもしれませんしね。そ
うではなくて、研修推進という仕事を俯瞰してみること、事象を構造としてと
らえることを通して、自分の置かれている状況「イマココ」を見極めようとし
ているわけです。どういう仕組みで「詰まり」が起きているのかがわかると、
次の一手を考えることができます。


<2> ここまでをまとめる

さて、Gさんは、参加者の自己紹介の中から「難しい状況と考えていること」
や「けっこうやれていること」を拾って描いていきます。全員の自己紹介が
終わったところで、ファシリテーターの私は、Gさんに、次のようにお願い
しました。

「今までのお話の中で、ポイントだと思ったことを3つ選んでください。」

「えぇっ!?」と驚くGさん。事前にそのような打ち合わせはしていませんで
した「無茶振り!!」という表情が浮かんでいます。うーん…と熟考の末、
次の3つを選んでくれました。

  ・「みんなでやろうよ感」
  ・「同僚をプロデュース」
  ・「どうせやるなら」

「自己紹介を兼ねたワークショップ」では、互いの問題意識のすり合わせを
行い、共通の土台をつくることを目指していました。以上の3つは、その土
台になります。この次からのセッションでは、これらの視点から、持ち寄っ
てきた資料を共有して話し合います。資料を共有した時に、基本となる視点
が設定されていると、そこを切り口としてより対話が進みます。また、自己
開示が進む効果もあります。アイスブレイクの機能をもっているとも言える
でしょう。

こうした仕掛けをしなければ、校種の別や、規模の違い、経験年数の違いが
壁になり、互いの仕事を通じて対話することが難しくなってしまっていたで
しょう。

この後、互いにもちよった資料を配布し、さらに交流を深めていきました。
次回、その話をしようと思います。

                       (続く)


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===編集日記=== 

  皆様に支えられて「日刊・中高MM」第3743号です。

 藤原友和さん「ファシリテーション・グラフィックをはじめよう」、
 お届けします。
 
 ・「グラフィック・“ファシリテーション”を機能させるFG」
 ・・ファシリテーション・グラフィックをどのように位置付けたか
 ・・・「自己紹介を兼ねたワークショップ」でのFG
 ・・・・ここまでをまとめる

 入門から基本に入って、具体的な実践。様々な研修会や会議の場面で
 FGが使えるときっと素晴らしい効果や成果が得られ気がします。
 会議で結論を得るよりもそのプロセスをじっくり吟味できてその時間
 がとても素敵なものになりそうです。消費時間が間違いなく生産創造
 の時間に変わりそうです。これはやらねば、採り入れねばと頻りに思
 うのです。

 さあ、明日から7月、梅雨も豪雨も終わりつつある。梅雨明けの空に
 憧れる日々ですね。例年より梅雨明けが早いとも言われていますが。

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       皆様のご意見・ご感想お待ちしています。
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       梶原末廣【インターネット編集長】
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☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆2016年☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆              

【2016年7月】

01 「東北の春」(3)梶原末廣(鹿児島)
   「僕らはみんな生きている」(116)杉山武子(鹿児島) 
02 「映画の中の先生たち」(18)木原ひろしげ(福岡県)
03 「島に、生きる。」(69)山下賢太(鹿児島)
04 「環境問題について」(174)枝廣淳子(千葉県)
05 「ボーダレス・アート・ラボ 虹から」(13)岡崎あかね(大阪府)
06 「子どもたちのわくわくアート」(121) 西尾環(熊本県)
07 「理想の学び舎作りへ」(21)瀬尾公彦(愛知県)
08 「ヒサシは歩くよ何処までも」(19)大岩根 尚(鹿児島)
09 「沖縄ものしりクイズ100問」(2)蔵満逸司(沖縄県)
10 「ファシリテーション・グラフィックをはじめよう」(11)
                 藤原 友和(北海道) 
11 「生徒へ送る心のメッセージ~教師のための新しい視点~」(66)
             桑原規歌(愛知県)
12 「特別支援教育の在り方」(10)吉田博子(東京都)  
   「静の旅育ち」(18)本田 静(鹿児島) 
       ~イタリア7泊9日記~
13 「新 教育をみつめて」(47)土橋英光(埼玉県) 
   「鈴木敏恵の未来教育インフォメーション」(3)鈴木敏恵
14 「リフレクションの探求と実践」(9)中島 久樹(東京都)
   「島に、生きる。」(70)山下賢太(鹿児島)
15 「僕らはみんな生きている」(117)杉山武子(鹿児島) 
16 「教育への道~グローカルアカデミー~」(13)岡本尚也(鹿児島県)
   「環境問題について」(174)枝廣淳子(千葉県)
17 「百菜園便り」(65)木原ひろしげ(福岡県)  
18 「月刊 学び工房eiichi」(31)原口栄一(鹿児島) 
19 「雑感・相手の立場 」(46) 西澤俊英(滋賀県)
20 「総合学習回顧録ー小学生ママと総合学習」(86)名生修子(兵庫県)
21 「立ち止まってメモしたことを」(11)北原妙子(熊本県)
22 「プロジェクト志向でいこう!」(96)若槻徹(島根県)
23 「ヒサシは歩くよ何処までも」(20)大岩根 尚(鹿児島)
24 「教育への道~グローカルアカデミー~」(14)岡本尚也(鹿児島県)   
25 「子どもたちのわくわくアート」(122) 西尾環(熊本県)
26 「子どもの頑張りを認めてくれる先生」(16)城ヶ崎滋雄(千葉県)
「教師のための読書話~今月のお薦めの一冊、二冊、三冊」(13)
                 長瀬拓也(京都府)  
27 「学びが深まるアクティブラーニング(AL)の授業設計」(11)
    水野正朗(愛知県)
28 「学校英語と実用英語」(10)浜田雅暢(鹿児島)
   「森知子の旅と本」(3)森知子(スペイン)
29 「僕らはみんな生きている」(118)杉山武子(鹿児島)    
30 「想いは南風に乗せて-あなたの心に」(63)堂園晴彦(鹿児島県)
31 「スイスで先生~生物学教師になるまで」(40)ブランド那由多(スイス)


【8月例年通り休刊月です:臨時号は編集発行】

【2016年8月】


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<不定期の作品>

「音楽・平和・学び合い」(27)笹木陽一(北海道) 
「数学教育の散歩道」(18)下郡 啓夫(北海道)
「こんなんもありますVer3 ライオンズクエスト
       (ライフスキル教育)」(6)原田達明(熊本県)
「徒然つばめ本紀行」(5)小村勇一(鹿児島県) 
「薫のデジタルにっし」(78)Slotsve堀内(アメリカ)
「読み聞かせる教室づくり」(30)石川晋(北海道)   
「モスポイントたより」(92)クニコ・ホール(アメリカ)
「ITのお世話の日記」(24)山之上 卓(鹿児島県)
「一歩ずつ」(56)岩堀美雪(福井県)
「日常性の教育学」(36)上條晴夫(宮城県)
「葦の髄から」(11)梶原末廣(鹿児島)
「夜間教職大学院にて」(3)壷坂宣也(兵庫県)
「目線を変えて見えた世界」(91)野元尚巳(鹿児島) 
「リアル熟議inSATSUMA」(11)梶原末廣(鹿児島) 
<連載休載中の作品>
「森知子のナワホタ日記」(11)森知子(キルギス)
「書写の森」(6)大平恵理(東京都)
「数学まるかじり」(34) 山崎直和(鹿児島) 
「新聞読み比べ~NIEのヒントに~」(32)谷口泰三(東京都)

==================================================================
【読者アンケート】本日の作品はいかがでしたか? 
 http://clap.mag2.com/driacrisur
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★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆2016年☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

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# by t-fuji5289 | 2016-07-10 13:45 | Trackback | Comments(0)

学級経営に生きる「ネタ×マネジメント」学習会in千歳

学級経営に生きる「ネタ×マネジメント」学習会~“追試”その先へ~in千歳


日 時:平成28年8月6日(土)
会 場:千歳市民文化センター
講 師:中條佳記/大野睦仁/鹿野哲子/三浦将大/藤原友和ほか
グラフィッカー:水戸ちひろ/小林雅哉/中原 茜/山川香緖里/戸来友美
参加費:3000円
主催:学級経営「ネタ×マネジメント」研究会
申し込み:こくちーずから


日程:
 9:20 開場・受付
 9:40 オープニングセレモニー(総合司会:三浦将大)
 9:40~10:00
   オープニング・セッション「いつ、どうやってつけたの?“教師の力量”」
   ファシリテーター:大野睦仁
10:00~11:30
   第1講座「“めっちゃ楽しい”学級経営力の本質~ネタから入り、ネタを越える~」
   講師:中條佳記(小学校)
   グラフィッカー:中原 茜/山川香緖里
11:40~12:20
   座談会「実際、学級経営力って、どうやってつけてきたの?」
   指定討論者:大野睦仁/三浦将大/小林雅哉/水戸ちひろ
司会:藤原友和
   グラフィッカー:中原 茜/戸来友美
12:20~13:20 昼食
13:20~14:20
   第2講座「マネジメントで“ネタ”を包みこもう」講師:藤原友和
   グラフィッカー:小林雅哉/戸来友美
14:20~14:50
   座談会「実際、どういう“時間軸”で学級をみてる?」
   指定討論者:三浦将大/戸来友美/中條佳記/大野睦仁
   司会:小林雅哉
   グラフィッカー:中原 茜/山川香緖里
15:00~15:30
   第3講座「学ぶは真似る〜追試から得たものと“わたしらしさ”の間を問う〜」
   講師:鹿野哲子
   グラフィッカー:山川香緖里/小林雅哉
15:30~16:30
   座談会「教師の力量形成~自己の力量形成と若手の育成の“間”を問う~」
   指定討論者:中條佳記/戸来友美/大野睦仁/藤原友和
   グラフィック・ファシリテーター:小林雅哉
   グラフィック・レコーディング:水戸ちひろ/中原 茜
16:40
   クロージングセレモニー(総合司会:三浦将大)
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# by t-fuji5289 | 2016-05-29 21:08 | セミナー案内 | Trackback | Comments(0)

2016予定

【1月】
 4-5日 第2回グラフィッカー・フェスティバルin大阪・京都
 7-8日 第77回教師力Brush-Upウインターセミナー2016in千歳
   12日 函館市小学校国語教育研究会 冬季学習会
   13日 函館市小学校道徳教育研究会 冬季学習会
   15日 函館市生・総研冬季学習会
   24日 函館国際科学祭2016キックオフ・ミーティング

   30日 函館・渡島研修担当者連絡協議会
【2月】
   13日 AL学習会(札幌:堀さん/BRUSH)
   17日 Co-net学習会(特別支援)
   20日 研修担当者連絡協議会+α in千歳

【3月】
   12日 第5回思考ツール学習会@函教大
 20-21日 クラス会議の学習会(札幌:堀さん/赤坂さん)
【4月】
   2日 授業開きの話(札幌:堀さん/金大竜さん)
   3日 中学校の学級開きと授業開き(札幌:堀さん/ことのは他)
【5月】
【6月】
  25日 イベント@千歳市内
  26日 研修主任の会@旭川
【7月】
【8月】
 4-5日 札幌市内
   6日 場所未定/中條さんと、いつもの仲間と
   9日 関西?
 10-11日 九州①?
   12日 九州②?
【9月】
【10月】
  21日 北海道生活科・総合的な学習教育研究会函館大会
【11月】
【12月】
【1月】
 4-5日 第3回グラフィッカーフェスティバルin仙台(予)


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# by t-fuji5289 | 2016-01-25 21:28 | 研究の軌跡 | Trackback | Comments(0)

自信と学び

ものすごくやりたいことも、できれば逃げ出したくなるようなことも、大きな振れ幅の中で経験した2015年。自分にならできることと、自分にはできないことの間で、随分と他人様に助けられた一年でもあった。

前者を進めているときは、軽い興奮状態で、何時間でもPCに向かって仕事ができた。後者の渦中にあるときは夜中に何度も目を覚まし、胃のあたりを押さえながら呻いていた。

思うに「自信」というのは、徹底的に自分にはできないことをつきつけられて、怖い思いをして、傷ついて、鼻っ柱をへしおられて、それでも最後に残っているものを手のひらの中に確かめたときに「ようやくもてる最後の一つ」なのではないかと思う。おそらくそれが「自分にならできること」の正体だ。

あるいは、こうも言えようか。
「自分にはできないこと」に徹底的に叩かれても、
それでもやりたい。
それでも学びたい。
それでも成長したい。
その思いに動かされて、やろうとするとき。「~ようとする」姿が、自信が「あるように見えた」という事後的な評価言なのではないか。「自信」という実体があるわけではない、という仮説。

十分に苦しみもせずに、裁きの場に立とうともせずに「自信がない」というのは傲慢なのだろう。逆に言うと、そういう過程を経ないで手にしたつもりの「自信」など鼻くそのようなものだ。

安心して間違えばいい。堂々と失敗したらいい。命まではとられない。学校が成長の場であろうとするならば、そういう環境をつくればいい。

十年くらい前かな。
「自信がないというのは傲慢だ」と言われたことの意味がようやく僕なりに感得できた気がする。謙虚さというのはへりくだりをいうのではない。裁きの場に立ち、自分を開き、受け入れることだと思う。それをもたらしてくれる他者に敬意をもち、隠さずに評価されるということだと思う。

「学び」という言葉がずいぶん値下がりして流通している。「学びデフレ」「学びの値崩れ」「学びディスカウント」…。いかようにも表現できるが、それが本当に学びであったかどうかは、自己否定の程度で測ることができよう。
「自分にならできること」と「自分にはできないこと」の間に、どれだけの自己否定を含みこんだか。
大丈夫。どれだけ自己否定しても、命まではなくならない。
命の危険を感じるような自己否定は、どこか間違っている。
そして、大抵の場合は周りの人が助けてくれる。
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# by t-fuji5289 | 2016-01-11 20:05 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

学習発表会、終了。

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子どもたち、とても緊張していた。

終わったあとの晴れやかな顔は、財産。

これかも自分たちは頑張っていける。

そういう自信につながる財産になる。
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# by t-fuji5289 | 2015-12-05 17:13 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

絵本×道徳in千歳

 子どもたちも大人も大好きな絵本。いくつになっても心にのこる温かなメッセージや、読み聞かせをしてくれた母や先生の優しい声。ときに人生について深い気づきをもたらしてくれる存在です。
 そんな絵本を使った道徳の授業を、道内の実践家が提案します。それをファシリテーショングラフィックで見える化して語り合います。さらに、絵本セラピストによるワークショップや、ブックトーク、道徳授業に使える絵本のブックリストも提案される、超!お得な1日です。クリスマス前のほっと一息。是非是非ご参加下さい。
*    *    *    *    *
【名称】絵本×道徳in千歳
【期日】12月13日(日)
【会場】千歳市民文化センター(予)
【講師】
 山田貴子(苫小牧市立北星小学校学校司書/絵本セラピスト協会認定絵本セラピスト)
 桜田恵美子(NPO法人さくら文庫代表/絵本専門士委員会認定 絵本専門士)
【参加費】2500円(会場費・資料代)
【定員】30名
【申し込み先】http://kokucheese.com/event/index/348544/
【日程】
9:00 開場・受付
9:15 ガイダンス
9:20~10:20 絵本を使った道徳模擬授業×4
  模擬授業1 戸来友美(千歳市立信濃小学校)
  模擬授業2 小林雅哉(伊達市立伊達小学校)
  模擬授業3 鹿野哲子(長沼町立南長沼小学校)
  模擬授業4 大野睦仁(札幌市立三里塚小学校)
  グラフィッカー:藤原友和(函館市立昭和小学校)/中原 茜(八雲町立東野小学校)
10:20~10:50 FGを使ったシェアリング
10:50~11:00 道徳授業の勘所 提案:藤原
11:00~12:00 道徳絵本セラピー体験
  講師:山田貴子・/グラフィッカー:水戸ちひろ(豊浦町立豊浦小学校)/小林雅哉
13:00~14:00 道徳に使える絵本リスト~ブックトークしながら~
  講師:桜田恵美子
14:00~14:45 もちより絵本の「絵本ギャラリー」
  ファシリテーター:戸来友美
14:45~ 閉会セレモニー
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# by t-fuji5289 | 2015-10-28 23:35 | セミナー案内 | Trackback | Comments(0)

2015~2016年予定(8月~1月)

【8月】
 22日(土)インプロ学習会
 28日(金)八雲の学習会:アクティブ・ラーニングについて

【9月】
 12日(土)~13日(日)編集会議@東京
 26日(土)校内研修担当者連絡協議会in七飯

【10月】
  3日(土)校内研修担当者連絡協議会in洞爺
 17日(土)第74回教師力BRUSH-UPセミナー兼思考ツール学習会in函館
 23日(金)連盟国語大会in旭川

【11月】
 28日(土)網走学習会

【12月】

【1月】
  4~5日 第2回グラフィッカー・フェスティバルin京都・大阪

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# by t-fuji5289 | 2015-08-16 18:48 | 研究の軌跡 | Trackback | Comments(0)

上越のFG会が終わって、帰りの新幹線で考えたこと。

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 上越教育大学でのFG講座が終わった。
 参加者28名という盛況だったことは、ひとえに運営の近藤さんをはじめとするNゼミの方々の力量に負うところが大きい。地元で地道な活動を続け、学びの場としての信頼を蓄積されてきたからこそ、である。

 また、北海道の研究仲間でもある米田真琴さんにも、30分の提案をしてもらった。僕も米田さんも、「正解」をもってこなかった。自分のやってきたことに対して、「このような補助線を引いたら、こういう世界が見えてきたのですが、いかがでしょうか。」ということを、ファシリテーション・グラフィックという方法を通して提案した。答えは、参加して下さった方々の、それぞれの現場にある。だから、安易にパッケージを渡すというつくりは辞めていた。なんの打ち合わせもしてなかったのだが、米田さんの問題提起も、僕の講座構成も「考える材料」と「考える枠組み」と「考える時間」を組み合わせてつくっている。きっと、北海道にたくさんある学びのコミュニティと、コミュニティ相互の交流が、自然とそういう問題意識や、研修会風土を醸成しているのだと思う。


 これに対して、新潟の参加者の方々の「対話慣れ」というか、「自己フィルター透過」というか、「言語化・交流能力」といおうか、こうしたファシリテーション的な学びへの親和性がとても高かったのが印象的だった。概して北国の人は我慢強いという精神的風土をもっているようだが、この日の参加された方々の「モードチェンジ」には驚かされた。聴くべきは聴き、考えるべきは考え、話すべきは話し……と。講座構成自体はゆるゆるだったのにも関わらず、なんだかきびきびと進んでいったように思う。大阪のエネルギーとも、東京のカオス的発想触発空間とも、東北のじっくりじっくり確かめながら進む慎重さとも違う何かがあるのだろう。


 最近は、自分自身の「講座のでき」という視点で振り返られなくなっている。かといって、自分の「したこと」を事細かに記述することもなぜか興味が湧かない。それよりは誰かの感想をシェアしておくことのほうが増えた。これは、講座が、相手(参加者)とのセッションであるという意識が強くなっていることの表れだと理解している。だから、事前にPPTのスライドを作り込むことはしなくなった。7回の「やってみよう会」をする中で、「入門編」「イラスト編」「論理編」「場づくり編」の4つのパッケージができている。また、「見える化」というパッケージも一つある。その他、実践をまとめたものも合わせると50数本のファイルをもっている。その場の必要に合わせて、説明に使っている。そういうわけで、当日の参加者の問題意識に合わせて講座の組み立てを変えている。例えば、昨日は最後の60分を「チューニングのためのワールドカフェ」と題して3つの問いを準備し、進行したのだが、こうしようと決めたのはスケッチブックでワークをしている最中である。もちろん、行き当たりばったりでこうしているわけではない。「入力」「出力」「交流」「思考」というサイクルを、時間に合わせて規模を大きくしたり小さくしたりしながら、問題意識の有り様に沿う進行を試みているのである(この説明のためには、光輝さんに教えていただいた「複雑系」のフラクタルを援用している)。


 懇親会では、運営の話をする。続けると言うことと、エントロピーの増大と、適者生存などなどと、いろんな話をした。要するに「システムは壊れながら別のものになっていく。その最適性を目指すことそのものが運営することの本質なのだ。ただし、これが最適だと決定し、固定した時点でシステムは死に始める」という、僕の根拠のない実感を繰り返し語っていたのだと思う。ただし、それは「やる人」がいて初めて現象する。出来不出来ではない。やるかやらないか。結果としてあるかないか。1と0の差は大きい。途方もなく大きい。そこにはきっと「学ぶということの神様」が、やる人を通して出てきているのだと思う。その人でなくても別の人がやる。誰がやるかによって、神様はいろんな姿を見せる。人を幸せにも不幸せにも結果的にはする。そして世代から世代へと受けつがれていく。人間が知を欲望する存在としてあり続ける限り。誰もやらなくなったら神様は死ぬ。学ぶ場をつくると言うことは、そういうことなのかもしれない。言語論的転回。そういうことを考えると、偶像崇拝に堕すことはないのではないかと思う。偶像には俗世的な力が発生するからやっかいなのではあるが。


 行きと帰りに、考える時間がたくさんあった。

 僕がこの夏に何らかの成果を得て、秋に企画している二つの研究会と、冬のお祭りに生かし、カタチのあるものとしてまとめることができたとしたら、この上越の経験は大きい。


 近藤佳織さんとNゼミの皆さん、そして赤坂さんとたくさんお話できた。同時進行でグラフィッカー・グループでもいろいろ議論できた(ちゃかしているだけの人もいたけど)。多層的に考え、言葉にし、語り合う。この環境をつくれた。そしてそこから受けている恩恵もまた、大きい。


新幹線はあと1時間で東京に着くようだ。
(2015/07/27)


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# by t-fuji5289 | 2015-07-27 22:53 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

2015年、夏休み始まる。

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夏休みです。
一回り大きくなって、2学期にまた会いましょう。
だいぼうけん!!

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# by t-fuji5289 | 2015-07-25 13:15 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

Learning性を前提としたActive性ということ(2015/07/18)

1 ALを考える切り口を探す

AL(アクティブ・ラーニング)についていろいろと考えた。

これからさきの授業研究の中で、避けては通れないキーワードである。新しいものがやってきたととらえるのではなく、普通の授業の中に「ActiveLearning的なるもの」を発見していこうというのが、今のところの僕の戦略である。とはいえ、ファシグラとかアフォーダンスとか言ってる僕の「普通の授業」感は、あまりあてにならないから、もうちょっと違った視点はないかなと考えている。

その中で、「ALのActive性と、Learning性をそれぞれどのように考えていくのか」という着想をえた。

何かいい材料がないかなぁとぼんやりしてたら、研究仲間の鹿野哲子さんからヒントをもらった。

「でもさ、マクドできっちり働ける高校生は結局スタバでもイケる気がする。」

2 Active性とLearning性

...

なるほど。ぼくはちょっと立ち止まって考える。

言葉は道具だ。考える道具だ。

考えたことを、言葉として取り出すと、取り出されたそれを材料にしてまた考えることができる。

さて。

先ほどの「ポストフォーディズム」を材料にしてみよう。

マクドナルドのバイトはLearning性が高ければ、それでいけた。それだけでいけるように環境が整えられ、客も環境調整により、「教育」されていた。

スタバ店員は、それに加えてActive性まで求められる、ということだ。客の要求水準も高くなり、そしてそれは「変質(個性化・感性化)」を伴う高水準化だった。

3 二つに「順序」をあてはめてみる

(1) 「きっちり」の中身

哲子さんのコメントにある「きっちり」。これがポイントなのだろう。座学で身につけるべき内容は「きっちり」学び、その上でさらにActive性を発揮しなければならないところに、現在の複雑化した社会に生きる難しさがあるということだと思う。

マクドで「きっちり」働ける能力というのは、マニュアルに従うのではなく、マニュアルに定められた手順とその思想を正しく咀嚼し、行動に反映させられる能力であろう。そうではない状態を考えるとよりわかりやすい。例えば、ストローの包装紙を、口を付ける部分を残して渡すサービスである。数年前に堀さんがブログかFBかに、一度外した包装紙をわざわざもう一度被せているバイトをみて、マニュアルに縛られてその意味を理解しないことを嘆いていたことがあった。ストローに直接手を触れないままで、衛生的に渡すという目的を理解せずに、手で、飲み口のところをつまんだバイト学生は「きっちり」は働けていない。

(2) 順序とは何か

このように考えると、Active性というものは、精度の高いLearning性を前提としないと発揮されないと言える。言い方を変えよう。価値あるActive性というのは、確かなLearning性を前提としている。これは、極めて限定的にいえば、出力の価値を決めるのは、入力の質の高さといえる。例えばピースの又吉が芥川賞をとったことについて、池田修さんが「入力のないところに出力はない」と指摘し、又吉の読書体験の豊富さに言及していたが、そういうことだと思う。それから多賀さんと堀さんの共著における対談。あれもそうだ。対談というActiveなコミュニケーションをエンタテイメントにまでしているのは、それまでの恐るべき読書量と実践と、その分析とを確かに重ねているお二人の入力に、決定的な一般人との差がある。

ここまで考えたときに、これから先の数年の間に提案されるActiveLearningと称される実践群をみるための視点が得られる。

「そのActive性は、確かなLearning性を前提としているか」である。単元の計画の中に、そのような構造が位置付いているか。そこから授業をみることで、いろんなことが引き出せるのではないだろうか。こういう仮説を得た。

(3) それは一方向ではない

前節までを書いて、Learning→Activeという一方向でのみ考えては狭い。そう主張しているととられるのは本意ではない、ということに思い至った。

Learning→Active→Learningであろうが、Active→Learning→Activeであろうが、Activeの意味を内省することがLearningにつながり、Learningの成果をActiveに活用することでパフォーマンスが上げられるということを考えたときに、これは要するにサイクルの「どの期間」の問題なのかということに過ぎないのではないか、という気がしてきた。そうであるならば、これは、かつての「表現―理解」構図に回収される。それも、かなり矮小化されて。まぁ、それは行きすぎた議論である。「Learning性とActive性がどのように接続しているのか」という視点で考えていくことにしよう。

※ ちょっとだけ宣伝(笑)

今年の教師力BRUSH-UPサマーセミナーのテーマは、「ActiveLearning×○○」である。この仮説でいけるかどうか、じっくり考える二日間にしようと思う。


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# by t-fuji5289 | 2015-07-18 18:02 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

マクドナルドの紙袋を見ながら考えた~ポストフォーディズムを前提として~(2015/07/18)

1 マクドナルドとフォーディズム

マクドナルドの紙袋を見ながら考える。

袋の底には、「ITEM COUNT:4-6ITEMS」と印字され、ポテトが3つ入った紙袋と、ポテトが1つに、ハンバーガーが二つ、透視図として描かれている。つまり、マニュアルになっている。この大きさの紙袋には、これだけのものが入れられますよ、ということが、説明なしにわかる。バイトは、マニュアルを読む必要も、研修を受ける必要もなく、この紙袋の用途を理解し、実際にサービスし、業務を遂行することを期待されているのだろう。そして僅かなバイト代を手にし、店は恙なく売り上げを数える。

学習や教育にかかるコストを最小化することで、利益を上げようという設計である。

ずいぶんと人を馬鹿にした環境設定だなぁ、と思うけれど、基本的に「徹底してワーカーの能力を信頼しない」からこそ、こうしてミスや無駄を減らす環境が構築され、運用されている。ワーカーはそこでは代替可能であり、――ということは報酬が低く抑えられていることの根拠にもなっているのだが――決められたことを「正しく繰り返す」ことさえできれば、労働をし、そして対価を受け取ることができる。

これがいわゆる「フォーディズム」ということだろう。

流れ作業を正確にこなすことができる「工員」を増やすことが、かつては国を豊かにすることであり、多数の国民がおしなべて中流に位置していると感じることのできる構造的要因であった。それは「一億層中流国家・日本」としてかつての僕たちの親世代を包んでいたイメージだったのだろうと思う。

2 スタバのカップのメッセージ

そんなことを考えながら函館蔦屋書店に向かった。

お気に入りの本を見つけ、早速レジに向かう。

会計を済ませ、テナントとして入っているスターバックスで買ったばかりの本を読もうと思い、飲み物を注文する。

渡されたカップには、油性マジックでメニューの名前が書かれている。そして、そこにはかわいいイラストも添えられている。

これは、マニュアルにはないそうだ。店員が自己裁量で行っている「サービス」である。そうかそうか、と思って画像検索してみると、スクロールが追いつかないほどの多量の画像が出てきた。すぐに目についたのは「Thank you!」だったが、中には「素敵な休日を」「おかえり♡」「Good morning」「Fight!」などと、親和性だったり、高文脈性を感じさせたりするメッセージや、ネコやウサギをモチーフにしたイラストが多様に・大量にアップされていた。

評判がよい、ようである。

「他でもないあなたにむけた」「ここにいるわたしからの」メッセージである。マニュアル接客になれすぎてしまった消費者には、擬似的に他者からの承認を与えられるこのサービスは「感覚的に」「心地よい」のだろう。もうちょっと慎重に言えば「そう感じる層が一定数存在する」ことは言えるだろう。

むろん「そうは感じない」という客や、「なれなれしくてうざい」という人もいるだろう。そのことは否定しない。ここで言おうとしていることとはあまり関係がないし、スタバはマクドナルドよりもすぐれていると言いたいわけではない。

3 ポストフォーディズムとコミュニケーション

(1) マクドナルドとスタバの「差」

マクドナルドのバイトも、スタバの店員も、職種としては同じ。飲食店の販売である。時給は近所のマクドナルドが「750円以上」であり、スタバは「770円から」となっているのを見るとあまり変わらない。能力給の上乗せがどうなっているか、社員登用の仕組みがどうなっているか、そのほかの勤務条件がどうなっているはよくわからないので一概にはいえないかもしれなけれど、同じようなものであると考えてみよう。

そうしたときにこういう見方もできるだろう。

マクドナルドのバイトには、個性なるものが認められないマニュアル管理が徹底し(現場からのリコメンド制度もあるようだが、それは新たなマニュアルとして全国の店舗で共有される。例えば、ストローの袋の上だけ残して渡す方法など)、スタバには店員が工夫する裁量が与えられている。

スタバの方が人間的で、働いている店員も気持ちよいのではないか、などということを言いたいわけではない。むしろ、求められている仕事は、高度なのだろうと思うのである。マクドナルドのマニュアルに従う限り、「コミュニケーション能力」は求められないからだ。調理も接客も、包装の仕方ひとつとっても行き届いたマニュアルは、「個別の事態における、個別の対応」を必要としない(だから嘉門達夫の「ハンバーガーショップ」というパロディが成り立つのである)。

(2) スタバ店員に求められるもの

スタバの店員が行っているのは、「個別のコミュニケーション」なのである。いや、本当は「“偽装された”個別コミュニケーション」と断るべきなのかもしれないが。とにかく、コミュニケーション能力が発揮されることが、労働環境の中に埋め込まれている。

もちろん、接客や販売というものは、すべからく「そのような(コストのかかる)もの」を含む。僕が興味を持ったのは、マクドナルドのように大手のチェーン展開をしているような企業において、それを可能とする「マニュアル主義」とはつまり、標準化によってコミュニケーションコストを下げ、商品の品質を一定水準以上に保つことだったにもかかわらず、その中に、イレギュラーを起こす可能性もある「余白」を含んでいることと、その余白を埋める作業は店員自身の判断で行われるということである。さらには、余白を探し出すことまで求められていると言えよう。

これは、大手チェーン末端のスタッフにまで、そのような「コミュニケーション能力」が求められる時代になった、ということの一つの証左であると言えるだろう。

そしてこれが「ポストフォーディズム」の意味である。標準化された手順を、標準化された工員がこなし、標準化された製品をつくるのが「フォーディズム」であるとするならば、それに「付加価値」を加えられる「個性」と、個性同士の「協働」で実現する生産のありようである。

4 ポストフォーディズムを前提とした教育とは?

(1) バイトにまで求められる「能力」

「たくさん覚えて正しく繰り返す」とは上條晴夫さん(東北福祉大学教授)が伝統的な学習観をわかりやすく表したフレーズだったが、その教育成果であるところのバイトの能力を最大化したマクドナルドは凋落の一途を辿り(因果論ではなく、象徴的な存在として)、スタバはさらに展開の幅を広げている。そして、スタバの「次」の雄とされる「ブルーボトル」に代表されるサードウェーブ・コーヒー。高級化・差別化とはつまり、物語消費的であり、ハイコンテクスト的である。

そこで十全に接客・販売を行えるのは、「他でもないあなたにむけた」「ここにいるわたしからの」メッセージを発することのできる、コミュニケーション能力に長けた店員だけだとすると……。マクドナルドでなら働けていた高校生が、スタバでは働けないのだとすると……。そして、末端スタッフにまでそれが求められる社会になっていくのだとしたら……。

(2) だとすると、「学校」では…?

そこまで求められても、時給の差が20円にしかならないことも加えて、僕は僕の教育活動に対して、これらの社会のありようを前提とする必要に迫られる。

気が遠くなるような作業だけれど、こういう認識を持って、子どもたちに対そう。

この夏は、こういうことをじっくり考えよう。

マクドナルドの紙袋をみながら、こんなことを考えた。

台風で名古屋に行けなくなり、替わりに行こうと思った山には雨で行けなくなり、だらだらと長文を綴っている。駄文である。


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# by t-fuji5289 | 2015-07-18 17:44 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

2015年予定(6月~8月)

もうすぐ夏休みです。
こちらに予定を整理します。


【6月】

20日 未来につながる教室読み聞かせの会in千歳
27日 第4回思考ツール学習会(会場:北海道教育大学函館校)

【7月】
 
5日 第1回東北ファシグラ入門講座in山形
18~19日研究集団ことのは×北フェスコラボイベントin名古屋
20日 函館国際科学祭プレイベント
26日 ファシグライベントin上越

【8月】
6~7日 教師力BRUSH-UPサマーセミナーin札幌
8~9日 ESD全国大会in札幌
10日 第2回ふぁしぐら体験学習会in旭川~授業づくり編~
12日 FG学習会IN大阪(教育会)
13日 東京原宿 みんなでつくろう!「みんなの学び場」学習会
14日 ファシリテーション・グラフィック入門講座in福岡
15日 福岡市内滞在※予定空いています

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# by t-fuji5289 | 2015-06-07 14:16 | セミナー案内 | Trackback | Comments(0)

〈フレーム先行〉か、〈コンテンツ先行〉か~効果的な「学び方」を考えるために~

1 ベテランになってから違う校種に異動された先生のお話

千葉大学で開催された授業づくりネットワークの春集会に参加してきた。
その中でもっとも考えさせられたお話。

とあるベテランの先生が、中学校から小学校へ異動になった。

先生は、中学校では教務主任や研究主任が長く、担任の期間は短かったそうだ。...

それが急転直下、小学校で担任になった。

うまくいかない、子どもが落ち着かない、と当時をふり返る。

「ベテランだから、できて当然、という目で周りは見ますしね、クラスが落ち着いていないのに、職員室で何か発言しても説得力ないんですよ。」

とにこやかにおっしゃる。

それでどうしたか。

若い先生が通うようなセミナーにいったり、ネタを集めたりして、学んだそうだ。その結果、「12月くらいからおもしろいように落ち着きましたよ。」と表情をやわらげていた。

僕は、この話をとても興味深く拝聴した。なんたって、年度初めのこの時期に、2週間以上も前のことをわざわざ書こうというのだから、この興味はホンモノだと思う。

2 このお話から学んだこと

さて、この話を僕はどう聞いたか。

間違っても、「いくつになっても学ぶべき」とか、「ネタをたくさん持っているとつよい」ということではない。決してない。

冒頭で書いたように、このベテランの先生は「教務・研究」が長い、ということがポイントである。つまり、学校が動いていくときの〈フレーム〉を熟知していると言えよう。
 学校の仕事の全体像が視野に入り……というか、すでに身体化しているレベルで教師としての仕事を俯瞰的に見る視座をすでに獲得されている。

その先生が、小学校に異動して苦労された。「けれど」、ネタを集めて子どもに向きあっているうちにクラスが落ち着いた。

喩えて言うならば、プログラムは元から正常に作動していたのだが、ボトルネックが対児童との「インターフェース」にあったわけだ。または「ポータル」にあったということがいえようか。

先生は、枠組みがしっかりあったので、子供用に最適化されたネタがあれば、それを駆動させるのは簡単だったのだ。中国語版Yahoo!から、きっずやふーに換装する程度で、クラスは回り始めた、ということだと思う。まぁ、「程度」なんていうのはとても失礼なのだが、ようするに〈フレーム〉のしっかりしている先生はやはり、安定している、ということがいいたかった。

3 「学び方」を考える

そろそろ結論。

一昨年あたりから山田洋一さんとコラボしているステージアップゼミ。教師の学び方として、「アジャスト」「チューニング」「カスタマイズ」ということを言っている。セミナーで学んだことを、そのまま自分の教室に持ち込んでも成功しませんよ、ということだ。だけど、セミナーには一種の麻酔効果があるから、「セミナーに酔う」参加者を一定数、出してしまう。目の前で繰り広げられているネタが、自教室のバラ色の未来を約束してくれるような気がするからだ。これはつまり、かつての僕だ。愚かしい。

仮に前述の先生を〈フレーム先行型教師〉と呼ぶならば、逆にかつての僕のような〈コンテンツ先行型教師〉もいるだろう。

ある時期、ミニネタが大流行したが、若い先生の中には、後者にバランスしている先生も割と多くいるだろう。当然ながら。それが、ある程度の経験を積んでくると、ミニネタだけではものたりなくなったり、限界を感じたりするようになっていく。その頃は年齢的にも教務や研究を任されるようにもなっていく。そして、〈フレーム意識〉が育ってきたときに、若い頃から蓄積したコンテンツ(ミニネタ)がある教師は、それらを適切に配置し、効果的に使い、子どもを育て、学級を伸ばし、成果を出すことができるようになっていく。開花を迎えるわけだ。

それにかかる時間が大体十年ということなのだろう。

学ぶことそれ自体を目的化するのではなく、このような学びの構造を意識して学んだり、学びの場をつくったりすることが、きっと「よい」ことなのだろう。今の僕はそう考えている。


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# by t-fuji5289 | 2015-04-20 00:23 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

2015年予定(1~9月)

新しい年度がはじまりました。
皆さんにお目にかかれることを楽しみにしています。

【1月】
4~5日 第1回グラフィッカー・フェスティバルin蝦夷
6~7日 教師力BRUSH-UPウインターセミナー2015in札幌
13日 網国研特別研修会
16日 ふぁしぐら体験学習会in旭川
17~18日 北フェスDEEPゼミin旭川
24日 授業づくり改革セミナーin札幌
25日 函館国際科学祭2015キックオフミーティング

【2月】
 7日 道南勤医協ワークショップ
 8日 FG学習会@函館市地域交流まちづくりセンター

 9日 八雲町小中連携特別支援協議会/【月曜舎】
15日 子どもの多様な学びを考える会in札幌
21日 第1回思考ツール学習会in函館
23日 第48回特別支援コーディネーター連携協議会(Co-net)
28日 第4回ファシグラやってみよう会in埼玉

【3月】
 1日 第5回ファシグラやってみよう会in東京
 6日 わがままな大人たちの絵本読み聞かせ会in千歳
 7日 ファシリテーション関連イベント@札幌市(予)
15日 アイディアソン函館
21日 授業づくりネットワーク春集会in千葉
22日 第6回ファシリテーション・グラフィックをやってみよう会in東京
29日 第2回思考ツール学習会
 
【4月】

 4日 国語科授業づくりセミナー2015卯月in札幌

【5月】
16~17日 奥尻町内(予)
24日 エシカル・ストリーム北海道イベント・函館市内

【6月】

20日 未来につながる教室読み聞かせの会in千歳

【7月】
4~5日 東北横断ファシグラセミナー(仙台→山形)
18~19日研究集団ことのは×北フェスコラボイベントin名古屋
26日 ファシグライベントin上越

【8月】
6~7日 教師力BRUSH-UPサマーセミナーin札幌
8~9日 ESD全国大会in札幌
10日 第2回ふぁしぐら体験学習会in旭川~授業づくり編~
11日 第3回ファシグラ体験学習会in岩見沢~オーダーメイドの入門編~
12日 大阪市内
13日 東京都内 New!
14日 福岡市内
15日 福岡市内滞在※予定空いています
16日 鹿児島

【9月】
21日 授業づくりNW学習会in函館

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【11月】
2015-2016フットサル海峡リーグ開幕(~3月)
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# by t-fuji5289 | 2015-03-31 16:25 | 研究の軌跡 | Trackback | Comments(0)

平成26年度、修了。


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最終日は全員そろって修了式と最終学活を終えることができました。
3年生から4年生までの2年間、たくさんの幸せをもらったなぁと思います。
次に受け持つ子供たちに、もらった分は返します。足りなかったところはその分、頑張ります。

ありがとう。30人の子どもたち。
今度は高学年として、学校の中心として活躍してください。
学級通信『だいぼうけん』は今日で最終号になりましたが、みなさんの大冒険はまだまだ続きます。

高学年。応援してるよ!!
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# by t-fuji5289 | 2015-03-24 17:39 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

評価と被評価の同時進行

1 イベントへの「批判」ツイートをしてた人物
もう時効だと思うのだけれど、2年ほど前(注:2011年頃)にまちづくりイベントを友人達と企画した折のことだ。函館市の活性化のために何ができる? というテーマでの座談会を開催したところ、教員、消防士、新聞社、学生、サービス業などなど、さまざまな方が集まり、NHKの取材も入り、まずまずの盛況だった。2年が経過した今、その企画から派生したプロジェクトが継続していることも考えれば、「成功」と言っていい企画だった、と手前味噌ながら思う。その企画の告知中の出来事だ。Twitterで「拡散希望」と銘打ってツイートしていたところ、難癖を付けてくる御仁が引っかかってきたのだ。

もちろんアカウントは実名では無い。実名ではないから発言も過激になったのだろう。しかし、そのアカウントをGoogleにいれて検索したところ、簡単に実名が判明した。それどころではなく勤務先も、自営業の店も。当然電話番号も、はては顔写真までも5分もせずに出てきた。それどころではなく、その人物に対する「サービス受益者」からの評価も拾えた。かなり辛辣なものである。

明らかになったその人物像。彼は「外の世界を知らない教員の『まちづくりごっこ』なんてやめておくことだな」と皮肉なつぶやきを発していたが、その彼も広く言えば「教員」であり、「まちづくり」に携わっていた時期がある人間だと判明した。そして、その世界で小さな成功体験と、それに対応するくらいの小さな挫折も味わっていた。

つまり、自分はこの世界における先達なのだぞ、という意識と、お前らとは違う世界も知っているんだぞという自負と、挫折も経験しているというルサンチマンとが、彼にあのような反応をさせたのだと思う。そして、それがTwitterの匿名性によって抑制が効きにくくなっていたのだろう。
2 その人の中に「自分」を見つけて

その心象は理解できなくもない。そうした「ゆがんだ優越感」に絡め取られそうになることは僕にだってあるからだ。フットサルイベントの企画の話をしているときなどはまさにそうだろう。そして、近い友人にもそうした発言をする、つまりある種の幼児性を発揮する人間はいる。こうした「ぼくが先にやってたんだもんね。」的なありようはおそらく誰にでもある心性なのだろう。人間のありようがそうしたものであろうと、社会性を獲得していく過程でそれが他人との関係性の構築に有害であると学んでいくのが、社会を構成している多数の側の人間である。幼児的全能感が消えていき、他者との軋轢の間に振る舞い方を学び、直接的には他者を傷つけない方法で自己実現を目指してくものと僕は楽観視している。性善説にたって思考を停めていると言えなくもないが、社会に生きる多数の人間はわざわざ他者との軋轢を望まないだろうからあながち外れた考えでもないだろう。
3 思っているよりも「透明」な場所で

ネットの匿名性がリアルの場で存在していた「他者との軋轢」を覆い隠していると感じる人間が、無防備に己の幼児性・暴力性をさらけ出しているのを直接観察する機会が増えてきている。その様子は「自分は壁の奥にいる」と安心しているようなのだが、その壁は当事者が思っているよりもずっと透明なのだ。本人の意識の中では「壁の中で、覆面を付け」、壁の外にいる無防備な相手を攻撃している。しかし、その壁は透明で、覆面は薄い薄いベールである。ただ、本人だけがそれに気づいていない。

一方的に壁の中から「評価している」つもりが、同時に「評価されている」という構図。ここからは意識するせざるとは無関係に逃れられない。これを書いている自分も含めて。

評判が自分に先行する時代、とは菅付雅信『中身化する社会』の名言だが、これを「評価が被評価と同時進行する時代」とも言い換えることもできるだろう。自分が下した評価を、複数の他者から評価されるのが僕の経験したSNSの内部である。(2013年5月26日)

※Facebookノートからの転載です。


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# by t-fuji5289 | 2015-03-08 09:32 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)

『THE見える化』近日刊行!

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「THE 教師力」シリーズ
THE 見える化

近日刊行予定

可視化することで効果をあげる「見える化」最新実践集!

可視化することで効果をあげる「見える化」実践を集めた実践集。「音声言語に焦点化する」「ICTを活用する」「説明文の図解に特化する」「単元全体を貫いて,学習過程を見える化する」など、現場で効果をあげている最新の実践を具体的な流れとともに紹介しました。


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# by t-fuji5289 | 2015-02-11 22:06 | 本棚 | Trackback | Comments(0)

附属函館小学校・研究大会

 Facebookからの転載です。
 本日(2014/07/28)のファシリテートふり返り。
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日 時:平成26年7月28日(月)14:00~16:00
名 称:平成26年度付属函館小学校研究大会 実践研修会
会 場:付属函館小学校 図書室
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1 付属函館小学校の研究大会に参加した

 (1) 2本の授業を参観する
 今日は付属函館小学校の教育研究大会だった。市内の小中学校は既に夏休みに入っているが、附属小学校は毎年、夏休みの開始を数日遅らせてこの大会を開催している。日程は午前中に2本の授業公開、午後に実践研修講座という内容だった。僕は国語の部会に参加し、午前中の授業を参観。午後からの実践研修講座のファシリテートを行った。
 研究主題は「アクティブ・ラーニング」を取り入れて、主体的に学ぶ子どもを育てようというようなものだった。2本の授業はどちらも「単元を貫く言語活動」を設定していた。2年生の「きつねのおきゃくさま」は台本に「演出」を書き込む授業、5年生は「大造じいさんとがん」で「読書甲子園」に取り組む、といったもの。中心は読書ボードの交流。

 (2) 研究協議で得られた課題
 2本の授業はさすがにどちらも練られたもので、子どもたちもよく鍛えられていた。考えさせられることがたくさんある提案性の高い授業だった、と思う。結局、「単元全体をアクティブラーニングにするのか、既存の単元構成への入れ方の問題なのか」という対立をどのように解消するのか。宿題をもらって帰ってくる。最終的にはどのような子どもを育てたいのか(どのような社会をつくりたいのか)にまで議論を進めなければ解は得られないような気もする。
 一つだけ備忘録的に書き残すとするならば、「読書ボード講座」の形で、一時間ごとに別観点を設定して習熟させようと言うときに、その観点に順位制はなかろう、ということ。要するにこういうことだ。前時までの指導の中で、「情景描写」「心情」「気になる表現」という3観点ごと読書ボードを作成してきていた。できあがった読書ボードの出来不出来は、習熟と言うよりも(もちろんそれもあるが)、その観点でなら参加しやすいという子どもの質の差に過ぎないだろう、ということ。それを習熟の度合いと考えてしまうと子どもを見誤る。そんな気がする。ちなみに、この考え方には「学びやすさ」という見方がベースにある。

2 午後の実践研修会をファシリテートした

 (1) 前日までの準備
 さて、こうした授業を参観した後の実践研修会である。5年生の授業で子どもたちが取り組んでいる「読書ボード」を先生方で実際に取り組んでみて、その後「単元を貫く言語活動」について議論を深め、そして講師・助言者の先生方からコメントをもらいたい、というのが澤田さん(授業者・研修会企画者・大学の先輩)からの要望。それを踏まえてワークショップデザインをグラフィックにして送ったところまでが前日の仕事。
 まとめると、次の流れである。
  ① ガイダンス1~読書甲子園とは何か~
  ② ガイダンス2~この時間の進め方~
  ③ アクティビティ~読書ボードをつくろう!~
  ④ シェアリング~互いのボードを見合おう~
  ⑤ ディスカッション~話し合おう「単元を貫く~」~
 ⑥ トークセッション~助言者の先生から~

 (2) 当日に感じた“違和感”からの変更
 昨日までの時点では、「アクティビティはさらっとやって、『貫く』の話をたくさんしたいね。」というところまで話していたが、授業と、その後の研究協議を見ているうちに、それはあまり生産的にならないという結論に至った。協議が重いのである。それは授業がイマイチだったとか、最初に難しいことを言い過ぎた、というのでもない。ただ、意見を出せない雰囲気があった。理由ははっきりしている。参観している先生方が「読書甲子園」及び「読書ボード」というものを消化できないでいたのだ。初めて見る、海のものとも山のものともつかないものに、さらに実践の中心に据えている人などほとんどいないであろう「単元を貫く言語活動」という味付けが施され、さらに「アクティブ・ラーニング」というドレッシングまでかけられているのである。それについての授業だ、なんか言えと求められてもなかなか答えられる人は少ないだろう。僕はそのように考えた。
 そこで、打ち合わせまでとは違うが、まずは体験をとっぷりしてもらうことを優先した。澤田さんも始めから読書ボードづくりの体験は、参加者の様子を見ながら時間配分を決めようとしていたそうだ。講師・助言者の了解を経て、「まずはとっぷり体験に浸ってもらう」ことだけを確認してこの研修会を開始した。長くなったが、ここまでが前段である。

 (3) 時系列に振り返る
14:00 午後の実践研修会開始の放送が流れる。図書室に集まったのは17人。澤田氏よりファシリテーターの紹介。講師・助言者の紹介。
 内藤一志先生(北海道教育大学函館校)
 古川邦彦先生(函館市立高丘小学校校長)
 小田浩平先生(渡島教育局)
 藤原、簡単に進め方のガイダンス。4人ずつのグループ編成。内藤先生は一つのグループに半分参加しながら話し合いの記録をとる。古川先生、小田先生は外から観察。

14:05 澤田氏の主導で「読書甲子園」スタート。
 グループごとに「大造じいさんとがん」についての読書会を進める。ランダムに4人グループ編成。一箇所5名。しばらくは一人読み。特に指示はしなかったが、読まなきゃ始まらない。数分後、もともとの知り合いが固まったグループが勢いよく話し始める。その声におされるようにおずおずと話し合いが始まる。
 どのグループでも、「どのように進めていくか」が最初の話題。アイスブレイキングも自己紹介もなく強引に始まった読書会は(笑)、参加者の自己犠牲の精神に支えられてやや固いままで進んでいく。しびれを切らした「話すのが得意なベテラン」が仕切り始めたところもある。仕切りがあるところは画用紙に読書ボードをいきなり書き出している。そうではない、というところは話し合うことに集中しているように見える。

14:45 全てのグループで「読書ボード」の作成開始。
 最初に書き出していたグループも、始めから書き直しだした。これには「更新できない」という読書ボードの限界が露呈している。しかし、読みの深まりがあったからこそ書き直そうとするわけで、そういった意味では喜ばしいことではある。

15:00 休憩時間をとる。
 この時点で、後半の60分をOSTで進めることにした。たっぷり体験をしたので、「話したいこと」は各人の中に十分蓄積しただろうという判断である。しかし、同時に「読書ボード」の作成にかなりの進度の違いができてもいた。そこで、次のように指示した。
「(ちょっと進度に差があるので)プチ複線化します。まだ読書ボードができていない、描きたい、というところはそのまま作業を進めていて下さい。終わった方はお耳だけ拝借します。」
 ここで、OSTについて簡単なレクチャーを行う。成立経緯や約束事、原理を簡単に説明した後、A4の紙に「もっと話し合ってみたいこと・講師や授業者に聞きたいこと・読書ボードをつくった感想」を一言で書いてフリップにしてもらう。休憩後、14:10に再開することを宣言して休憩にうつる。

15:10 この時点では読書ボードはまだ終わらないグループが一つ。フリップはほとんど書かれていない。そこで、改めてOSTについて説明し、「全員が書き終わらないと始まらない」と煽る。

15:15 全員がフリップを書き終わる。
 全員で一つの輪になって、自分の書いたフリップを読み上げていく。一周するのに15分ほどかかる。その後「マーケットプレイス」にうつる。バンブルビー、バタフライの説明。講師・授業者を引っ張っていってもOKと付け加える。

15:32 活動開始。わりとスムーズにグループが形成される。
 一番大きなグループは女性ばかり7名。授業者を呼んでいろいろ質問するという時間を過ごしている。バンブルビーの動きをしているが3名。じっくり話し込んでいる男性2名。小田先生に質問にいく若い先生1名。内藤先生と、教室に貼られている子どもたちの読書ボードを読み解いているグループが一つ。僕は場がホールドされていることを確認して、古川先生と話し込む。

15:50 着席して最後に助言者・授業者からのお話を聞く。

16:10 閉会

3 まとめにかえて
 今回は事前の作り込みを捨て、その場に起きていること、その場が求めていることを聞き取ろうとしたファシリテートになった。そのため、澤田さんはちょっと残念がっていたが、レコーディングすらしなかった。僕はただ、「読書甲子園」というよくわからないものを飲み込めないでいる参加者が、それぞれ自分なりの咀嚼をして飲み込むために時間を使おう、と思い定めた。
 OSTでやるかどうかすら、読書会が始まるまでは考えていなかった。前半で十分に共通体験を積むことに時間をかけ、曲がりなりにも全てのグループが読書ボードを完成させた。あとは、この体験を「自分のもの」にするために語るという作業が必要なように思えた。それも、自分のペースで。そう考えると、ここは成果物へのギャラリートークではない。ましてやワールドカフェではない。もっと非構成的なものだろうという気がした。OSTを選んだのはそういう理由である。
 「体験の意味」を自分自身で深く納得する。それを大切にしたらこうなった。
 実は僕のファシリテートした2時間はアクティブラーニングになっているわけだが、これは共通の「評価規準体系」にはなじまないことは参加者にもよくわかっていると思う。そうしたときに、そもそもの学習観が違うものに、既存の評価体系を当てはめようとすることに無理がある、ということにならないだろうか。内藤先生は「永遠の課題だ」ということを大村はまや築地久子の例を引きながら繰り返し言っていたが、やるならそこまでやらねばならぬのだろう。記憶の再生をしながら一人一人を評価する孤独で膨大な作業だ。そう、いままさに僕がこうしてやっているような。そしてそれを「学習者の観察」に特化して評価能力を高めることもまた必要である。僕は自分のファシリテートを振り返っているだけでこれである。そこには何か手立てがいるのだろう。たとえば「ふり返りジャーナル」のような。
 まだまだやることがあるな、と感じて帰ってきた今回の公開研であった。

 貴重な場を設けて下さった関係各位に心から感謝します。
 付属函館小学校の皆さん、本当にお疲れ様でした!!

2014/07/28 自宅居間のテーブルで
 
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# by t-fuji5289 | 2014-07-28 22:29 | 研究の軌跡 | Trackback | Comments(0)